記者会見の場で・・・ ~失敗談~

2005年、ヴィッセル神戸から横浜のクラブチームへ移籍することになった選手の記者会見の場でのこと。スタッフの病欠や入れ替えが重なりいつも以上に忙しく、心身ともに疲れて果てていたのですが、移籍することになったのは、私が京都のクラブチームにいたころから6年もの間ずっと一緒に仕事をしてきた選手。ちゃんと送り出してあげたいという想いがあり、記者発表前日も深夜まで、当日は早朝から準備をしていました。

記者発表には、驚くほど多くの記者が来て下さり、会場は満席状態。私は司会進行役だったのですが、移籍する選手が心境を語っている真最中、貧血に襲われたのです。司会の場所から少しずつ後ろへ下がり、壁にもたれながら、倒れないように我慢をしていました。ところが移籍する選手が涙をさそうような話をはじめたとき、とうとうバタンと倒れてしまったのです。周りにいた記者やカメラマンは驚いてイスをならべて寝かせてくれ、移籍する選手は話どころではなくなり、壇上から「里奈、大丈夫か!」と。

記者発表のあと、選手からは「今日のことは、絶対に忘れられないよ(笑)」と言われ、他クラブの広報の仲間うちでは「岩元 里奈は、選手が移籍することがショックで倒れたらしい」と東京方面まで噂が広がり、本当に恥ずかしかったです。

広報の仕事で大切なのは、健康であること。体力があること。どんなに仕事がハードでも、倒れてはいけません。(笑)

一般的な感覚を持っていること ~メッセージ~

サッカーのクラブチームの広報になりたいという相談をよく受けますが、みなさんにはいつも「最初から広報の仕事をするよりも、はじめは社会人として仕事をして一般常識を身につけるほうがいい」とお話しています。仕事に慣れれば書くことや、その他に必要なスキルは自然と身についてきます。広報の仕事は、最初からある部分に特化した専門知識が必要なのではなく、一般的な感覚を持っている人物のほうが、向いているのではないでしょうか。専門知識の習得は、その後の努力次第でカバーできると思っています。

電話のとり方や手紙の書き方、人との接し方など社会人としての基本ができていなければ、どんなに表面を取り繕っていても必ずボロがでてしまうもの。まずは、会社(組織)の仕組みを知り、社会人としての常識を身につけること、あとはどんな人ともうまくコミュニケーションがとれることが広報の仕事には欠かすことの出来ない大切な要素になると感じています。



【編集後記】
「スリムなのに、元気が溢れだしているようなオーラ。しかも、笑顔がステキ!」岩元さんとはじめてお会いしたときの印象です。インタビュー内容からもお人柄を感じていただけたと思いますが、このお人柄だからこそ、選手から信頼され、また各種メディアとの関係も上手く保っているのでしょうね。岩元さん、そしてヴィッセル神戸の益々のご活躍を期待しています。

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