2. ベテランから新人へ。給料は半分以下でも楽しさ倍増!
--せっかく理容師としてキャリアを積んできたのに、美容師になろうと思ったのはどうしてですか?
「何となく行き詰まりを感じたからですね。男の人が美容院に行くようになった頃で、このまま理容でいいのかなって」
--でも、美容師を目指すということは、1からのスタートですよね
「だって、私はもともとは美容師になりたかったんだもの。何かを始めるのに『もう遅い』ってことは絶対ないと思うのね。だからチャレンジした」
--美容師の勉強はどうやって?
「通信教育とサロンで。入学式の時にヘアショーを見たんですが、ある先生の技術があまりにもすばらしくて、タダでもいいからその先生のところで働きたいと思ったんです。それで、美容学校の校長先生からお願いしていただき、その先生のところで下働きとして働かせてもらいました」
--お給料は?
「もらいましたよ。理容師の頃の半分以下でしたけど。でも、新人なんだから当たり前でしょ? それに、すばらしい先生の仕事を間近で見ることができ、そのうえ、先生から直接教えてもらえる。毎日がすごく楽しかったから、お給料なんて気になりませんでしたよ。主人も支えてくれたし」
--資格を取ってからは順調に?
「中には、別の世界から来た私をバカにする人もいましたけど、技術を磨いていったら上の人たちがそれをちゃんを見てくれて。それが励みになりましたね。『貧乏は恥ずかしくないが、技術がないのは恥ずかしい』。テレビである人が言っていた言葉なんですけど、私も心底、そう思ってます」
向上心を持ち続け、勉強を重ねた三枝子さん。子どもが眠った後、カットやパーマを巻く練習をよくしていたと言います。