この記事はこのような構成になっています
1. 23歳で結婚。出産・子育てで4年のブランクを経て、職場復帰
2. ベテランから新人へ。給料は半分以下でも楽しさ倍増!
3. 39歳で開業。借金は「自分の糧」
4. ふたりの娘も美容師に転身。英語の勉強も忙しい!
前田三枝子さん(54歳)
美容室アンナプルナ・代表
私の髪がもう10年近くお世話になっている先生。いつも元気で前向き。どんなことを大事にしながらキャリアを積んできたのか、お聞きしてみました。
1. 23歳で結婚。出産・子育てで4年のブランクを経て、職場復帰
--三枝子さんはどんな子どもだったんですか?
「暗かった(笑)。1歳上の姉が皆の人気者で、私はいつも、“満寿子(お姉さんの名)ちゃんの妹”だったんです。姉とは仲良しで大好きだったけど、いつもうらやましいと思ってた」
--今の三枝子さんからは想像できない!
「中学を出て、働くようになって努力したの。自分と姉は何が違うんだろうって考えたら、姉はとっても明るい。それで、姉の明るさを真似しようと努力した。真似も、やり続けると本物になるのよ」
--理容師になったのはなぜ?
「小さい頃から美容師になりたいと思っていて、親にその話をしたら、理容師の方がいいだろうって。早く一人前になりたかったから、高校へは行かず、理髪店で住み込みで働きながら通信教育で資格を取ったんです」
--結婚後も働くのは三枝子さんにとって当然だった・・・
「せっかく技術があるのに腕を遊ばせておくのはもったいない。そんな気がして、子どもができるまでは働こうって思いました。結婚を機に住まいを移した関係でお店も変わりましたが、11月に結婚して、翌月には働いてましたね」
--その後、出産を機に退職したんですよね
「そう。子育てはしっかりやりたいって思ったから。ふたりの娘を産んで、下の子が1歳半になるまでの4年間は子育てに専念してました」
--復帰は難しくなかったですか?
「努力と苦労がイヤでなかったら、ブランクなんて何でもないと思うんです。楽して復帰しようというのは、虫が良すぎる。それと、家にいる間をどう過ごすかも大きな問題だと思いますね。私は、本も読んだし、テレビを見ても、理容や美容の情報を集めるつもりで見ていた。仕事を休んでいる間を、仕込みの時期と考えたらいいんじゃないかしら」
--でも、子育てと仕事の両立はたいへんだと思いますが・・・
「子どもが小学校を卒業するまでは、土日休みで夕方5時に帰れる店を探して働きました。そんな店はたくさんあるわけじゃないけど、その条件でなければ続けられない。だから、ほかの条件はともかく、休みと勤務時間にこだわって探しました」
子育てと家事、仕事を両立しながら理容師としての腕を磨いていった三枝子さんですが、33歳で大きな決断をすることに・・・。