コツは「細く長く」の発想法
第1子の出産を機に退職し、その後、第2子を出産。下の子が1歳になるのを待って再就職をしたBさんはこう話します。
「前の職場は子どもを持って働く女性がいなくて、自分がワーキングマザー第1号になる勇気がありませんでした。でも、今の職場はママさん社員がいっぱい。子どもが熱を出せば、『この仕事はやっておいてあげるから、早く帰りなさい』と言ってくれる環境です。最初は、まわりに迷惑をかけて心苦しく思っていたのですが、『大変なのはほんの一時だから、そんなことは気にしなくていいの。その時期を抜けたら、あなたがまた、その下の人を助けてあげればいいのよ』と言われて、気が楽になりました」
退職、再就職という道を選んだBさんは、大手企業に勤め続け育児休業をとって復帰した人に比べれば、待遇面で劣っています。
しかし、職場の理解によって、精神的な負担はずいぶん軽減されていると言えるでしょう。
よく、「仕事と子育ての両立には職場の理解が必要」と言いますが、それが、子育てはたいへん→仕事をあまり回さないでおこう、重要なプロジェクトは任せないでおこう、という理解だったらどうでしょう。
なかにはそれをラッキーと思う人もいるかもしれませんが、自分に力を付けてキャリアを積んでいきたいと思う人にとっては、腫れ物を扱うように保護されることは決して心地よいことではないはずです。
仕事と子育てを両立させるコツは、長いスパンで仕事を考えることだと思います。
キャリア形成で一番強いのは、「細く、長く」です。
人生の中では、子育てだけでなく、自分の体調、家族の介護など、「太く」は働けない時期もあります。
100%か0ではなく、その時にできる太さで働くことができる会社、また、こうした考え方が浸透している会社なら、互いに助け合い、気持ちよく働き続けることができるのではないでしょうか。