実例で見る、転職成功例or失敗例
一人一人に、さりげなくフォローを入れてあげることが大切。 |
転職前:某大手サービス業、営業マネジャー、30歳、年収800万円
転職後:某上場前のモバイル系企業、営業、年収750万→
1年半後に会社は上場、本人は執行役員に昇格 年収1100万円
転職前は上場会社に勤務し、順調に昇進したものの、何か仕事に対して物足りないもの、やりきった感じをもっていた。先輩や上司も多く、これ以上の昇格も期待できない。そこで、会社の規模を小さくし、これから成長しそうな会社を狙って転職することを決意。
入社後は、業界未経験ということで、「社員全員が師匠だ」という気持ちで働く。前職でも模範的な営業マンであったAさんは、転職後も業界知識には欠けるものの、営業としての基礎ができており、教えてもらったことはすぐに覚え、営業やチームにとって共有できるナレッジについては、どんどんミーティングで発信していった。1ヶ月もすると、実は直属のマネジャーが機能しておらず、完全にプレイングマネジャーになっていることがわかった。
上司であるマネジャーは、メンバーに対し、何故もっと結果を出せないのか、そしてもっと頑張らないのか疑問に思っており、メンバーは、何故上司が自分たちの仕事をもっと手伝ってくれないのか不満を持っていた。Aさんはそれぞれの意見を調整し、折り合いをつけ、メンバーの甘えを排除しつつ、マネジャーが自分の業績数字ばかりを追わなくても、チーム全体で達成すれば評価してもらえるように、さらにその上の上司である役員に示唆をしていった。
Aさんの見方では、仕事の結果が出せるマネジャーが自分の数字ばかりを追っていて、教育に対して時間が割けていないということが課題であるのは明確だった。その状況に役員も理解を示し、改善するよう行動した結果、始めのうちは苦戦したものの、半年後には、同じメンバーでも30%程業績が上がるようになった。
「自分が業界未経験なので」と既存の社員に教えを乞いつつ、それぞれのメンバーが持つ課題や問題をヒアリング。一部アドバイスをし、具体的に誰が何で困っているかを上司と共有し、解決策を教えていった。
結果として、メンバーからも上司からも役員からも信頼されるようになり、8ヶ月後にはマネジャー、1年半後には執行役員にまで昇格した。一時、給料を下げて転職したAさんだが、今では1100万円の年収となった。
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<転職失敗事例> Bさん 男性
転職前:外資系大手IT企業、営業部長 年収2000万円
転職後:大手インターネット系企業 執行役員 年収1000万円+ストックオプション
前職では輝かしい実績のあるBさん、意気揚々と転職。
前職での経験を活かし、営業戦略として大手企業と中小企業のターゲットの切り分けを行い、業績を上げるべく、どんどんと改革を行っていった。しかし、上司との相談はしているもののメンバーとの話し合いが少なく、かなり強引にやり方を変更していった。それで結果が出ればまた良かったのだろうが、結果もついてこず、いつのまにか「Bさんにはついていけない。勝手にやり方を変え、しかも上手くいかなかった。」と言われてしまうように。
この会社には社長も問題があり、「あの会社であれだけ成功して実績を上げた人なら、きっと間違いない」と過剰にBさんを評価をしてしまっていた。しかし、商材も違えばブランドも違うそれぞれの会社。ひとつの会社でできたことが、別の会社でも適応できるとは限らない。
Bさんの失敗は、前職の成功はさておき、現場のヒアリングに時間をかけて、焦らずにやるべきことを行っていけば良かったのだが、現場のヒアリングもそこそこにし、自分がおそらくこうだろうと思う方法で強引に進めてしまった点にある。入社してすぐに結果を出さなければいけないと焦っていたわけではなく、経営者も、もう少々時間をかけながらと思っていたが、やや暴走してしまい、結果孤立してしまうことに。
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マネジメント層で転職する際には、結果を出すまでに半年ぐらいの時間をみてもらうように、あらかじめ話をつけておいたほうが良いです。すぐに結果を求められる場合もあるかもしれませんが、同じ業界ならまだしも別の業界の場合は、多少の時間が必要です。
成功例と失敗例をひとつずつ挙げさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?皆さんの会社でも転職してきて成功した人もいれば、やや失敗したなと思われる人もいることでしょう。
人の嫉妬というのは怖いものです。実力があっても偉そうにしていれば、妬まれ、足を引っ張られることも多々あります。腰を低く、周囲との調和も保ちつつ実績、成果をあげて、信頼、信用を勝ち取っていって欲しいと思います。
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