転職のノウハウ/転職活動を始める前に

売りどきに自分の値段を上げるために 市場価値を高める9つの習慣(3ページ目)

キャリアを育てる上で、一番の売り時は30歳から35歳あたり。それまでに自分の市場価値を高める9つのチェックポイントを解説します。

執筆者:西村 吉郎

(3)いい意味でのライバルを作る
マラソンレースでは、選手の一人が独走態勢になるよりも、ゴール寸前までデッドヒートを演じてこそ、いい記録が期待できるといいます。人間の能力もこれと同じことがいえます。競い合う相手がいて、その相手から刺激を受けることによって、能力アップにつなげることができるのです。

できるだけ早いうちに、先輩、同僚の中から自分のライバルを見定めましょう。もちろん、相手に宣言する必要はなく、内心でそう思うだけでいいのです。あいつだけには負けたくない、そんな思いが、日々の努力の源泉になってくれることでしょう。

(4)自分で考え行動する力を養う
20代も半ばを過ぎると、すでに一人前の社会人として扱われます。仕事の面でも、それなりに大きな仕事が任されるようになるでしょう。早い人だと、チームリーダーとして後輩を指導したり、プロジェクト管理を任されることもあります。

仕事の進め方などにはある程度自由裁量が許されますが、その一方では、細かな指示がなくなり、知識や技術面の指導の機会も少なくなりますので、何事も自分から行動を起こすことが求められてきます。仕事の進め方を自分なりに工夫したり、情報を自ら集め、選択する努力が欠かせなくなるわけです。

また、知識や技術を単なる教養としてではなく、生産性と結びつけた考え方も求められてきます。たとえば、新しい企画を提案する際に、市場性や価格設定などをデータを基に説明するといったことなどです。しっかりした企画なら、採用されることも増えてくるでしょう。

(5)社内外のネットワークを広げる
業務に創意工夫を加えること、必要な情報を集めることと関連して、社内外にネットワークを広げていくことも大事なことです。ビジネス交流会やセミナーに参加するなどして、社外の人との交流を積極的に求めていくべきです。

ただし、人との交流は、自分だけが一方的に情報を得るというのでは長続きしません。相手の求めに応じて、ときには自分が持っている情報を提供するなど、双方向性を持つことが重要です。30歳前後にもなれば、知識・技術を確実に自分のものにできているはずですから、同じ課題を持った人との情報交換も十分に可能でしょう。

社外の人との交流では、社会人としてのマナーや一般常識も問われます。社内の人間同士なら多少の無礼も許されますが、社外の人相手ではそうもいきません。社外の人との付き合いを通じては、敬語などの言葉遣いや酒の席でのマナーなど、多くのことを学べるはずです。

(6)成功体験で自信をつける
そのときどきに応じて、自分の身に余るような大きな仕事を任されることもあります。これに対して、やったことがないからとか、失敗したときに責任を負わされるのがいやだからといった理由で、逃げ出したりはしていませんか。

たとえこれまで経験がない仕事であっても、上司からそれを任されるということは、できると期待されたからこそです。尻込みせずに、成就するまで努力してみましよう。結果としてうまくいけば、それは今後にとって大事な成功体験となります。

よしんば失敗したとしても、上司はそれも折り込みずみのはず。失敗してそれであきらめずに再挑戦し、最終的には成功に導いたとなると、大いに評価してもらえるでしょう。

(7)コミュニケーション力を身につける
比較的若いうちは、相手の話をしっかりと聞き理解し、伝えたいことを間違いなく伝えられる程度のコミュニケーション力で許されますが、30歳前後ともなると、さらに説得力と交渉力を加えることが要求されるようになります。

会議などでは他人の意見を聞き、それを十分に理解したうえで積極的に自分の考えを述べる姿勢を持ちましょう。相手より建設的な提案があれば、それを正しく説明し、相手を納得させられるくらいまでになれば、企画の提案を通したいとき、取引先との折衝を行うときになどの交渉力もついてきます。

関連して、担当しているプロジェクトの進行が遅れ気味だとか、チームの誰かがトラブルを起こしたときなどは、チーム全員からじっくり話しを聞き出す作業をすることによって、問題の原因を探り出し、解決方法を考えるコンサルティング能力を養うことにもつながります。

(8)統率力、マネジメント力を磨く
チームリーダーとしてチームをまとめ、進行を管理していく力は、管理職としてセクションを統率し、管理するマネジメントに応用できます。

ただ、30歳を過ぎるあたりで係長、あるいは課長補佐などいわゆる中間管理職に就いた場合、会社が期待するのはプレイング・マネジャー的な働きです。具体的にいえば、単に会社の指揮命令系統に従って仕事や部下の管理を行うだけでなく、実務担当者として、部下の先頭に立って引っ張っていく力が要求されるということです。

さらに、仕事の面で模範となるばかりでなく、チームワークや個々の社員の能力アップを指導する立場として、自己管理に気を配り、自己啓発に務めるなどの面でも模範とならなければなりません。

なかなか大変なことですが、日々の職場管理には細かい指示がないのが普通ですから、自分なりに、仕事の進め方を工夫したり、部下を育成することで自分が少しでも楽になる方法を考えていけばればいいのです。実は、これこそが、上層部が中間管理職に期待する部分であったりします。

(9)体力も市場価値の一部だ
個人差はありますが、30歳を境にして体力はガクンと落ちてきます。その一方で、プレイング・マネジャーとしてハードな働きを求められるわけですから、体力、気力の持続には十分気をつける必要があります。

とくに、30代は上と下の板挟みになってストレスを受けやすい世代ですから、休みの日にはできるだけ外に出てスポーツするなど、ストレス解消には十分注意をはらってください。

体力、気力とともに、脳の働きも衰えが始まります。いろんなことに好奇心を持ってチェレンジしていけば、記憶力、知識吸収力、創造力などは維持できるそうですから、仕事以外の趣味の世界にも手を広げていくべきでしょう。

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