「お前は大学院に来るな」~本当に死のうと思った~
以前特集した大学院の実態に寄せられる意見も深刻さを増しています。(20代男性)
「私も指導教授との関係に苦しみ、大学院を辞退しました。私は学部から推薦で決まったものの初めてのテーマを自分独りで立ち上げることを命じられ、一端は断ろうとしたのですが、無理でした。その後苦戦し、大学院に来るなと言われ続けました。
同じ分野の先輩は自分をさげすみ、馬鹿にし、『そんなことは意味がない』ということを毎日のように言われました。
どうにか打開したかったのですが、精神的に持たず、親とも板ばさみになり、就職しました。はっきり言って最悪の日々でした。ほんと死のうとさえ思いました。研究の世界ははっきり言って特殊で、しかも非人道的なことが許される世界です」
大学は、学生に勉強、研究する機会を与える場所であり、、学生の育成が主要な役割となっています。学生は自由に勉強する権利を持ち、誰も奪うことは出来ません。しかしながら、学生を指導、育成する立場にある教員がその権利を奪っている事例が存在することも事実です。
前出の社会人(20代女性)も、「人間同士、お互い大人な関係で実のある研究ができれば、もっと日本の研究力や技術力もUpするのに。せっかく研究に向いている人材も、担当教授によって、その芽を摘まれてしまう人も多くいると思うので、本当に悲しいことです」と語っています。
大学の多くは純粋に学問の研究、追究をしていると信じたいのですが、大学教授、助教授という職位の人達の人として常識を外れた不祥事が明るみに出るたび、大学院への不信感を抱かずにはいられません。
2004年4月より国立大学は独立法人化となり、大学経営の時代に入ります。このような不祥事は企業に置き換えたら、倒産に追い込まれるくらいの大きなダメージにもなりかねませんし、現に留学生問題で倒産した私立短大もありました。
現在多くの企業は倫理方針を見直し、社員に徹底遵守すべく、教育に力を注いでいます。大学も基本方針、倫理を見直し、早急に教員、職員に教育を施す必要があると言えるでしょう。
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