社会人の大学・大学院/社会人の進学・学生生活事例

【インタビュー】 博士号への道 38歳薬剤師の場合(3ページ目)

医薬品開発の研究者から薬剤師に転職。さらに夢の実現のため、大学院での博士号取得を目指す38歳の社会人学生に受験対策や進学後の生活について聞いた。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド



試験より何より大変だったのは…


---受験準備にかかった費用や受験対策などには? 
投資金額は、医学専門書、受験料、全て入れても3万円程度だったと思います。英語についてはTOEFLの勉強をしていたこともあり、こちらの参考書代やMDプレーヤー等で7万円ほど投資していますが、大学院入試に際し、特別準備したということはありません。

試験より大変だったのが、小論文、研究報告書、上司からの推薦状などの受験資料の作成です。また、書類審査が無事通過した後の学力試験まで、1ヶ月しかなく、分厚い参考書を過去問に照らして覚えるのに必死でした。

勉強方法については、特に秘訣とかありません。とにかくやるのみ!なお、入学後の学費は今までの自分の貯金とボーナスで賄う予定です。



やっぱり大変!社会人大学院生生活


---「薬剤師と大学院、両中心主義」を宣言していますが、実際、仕事と大学院の両立生活はいかがですか?
まだ始めて数ヶ月ですが、想像していた「通りに」大変です。
睡眠時間を削るにも限界がありますし、いかに時間を作るか?効率性を上げる努力を今以上にしなければと痛感しています。

---大学院生活で不安に思うこと、大変なことは? 
日中研究室にいないので、研究室の出来事や流れがわからないこと。事後報告を聞くだけなので、話題に乗り遅れると感じます。また、少ない研究時間でフルタイムの院生と同等以上の研究結果を出せるか?ということが、不安なのは本音です。

---再び大学院生になって、驚いたことは何ですか?
履修申請から在学証明の発行など、事務的なことは全て学内LANを使った申請です。大学からのお知らせも全てメールです。時代の流れから当然ですが、やはり少し驚いています。

【ある一日のスケジュール】
6:00起床
9:00出勤~18:00退社
19:00大学研究室到着
23:00研究室退室
24:00頃帰宅

大学へ行かない時でも、帰宅後、深夜1時くらいまで研究や調査をしています。

---大学院の授業は期待通りでしたか?
教授は、社会人である私が、研究室の雑務をしないで済む様に配慮して下さっています。ただ、教授の方針が、「院生は自分で勉強して、わからなければ聞きなさい」という主義ですので、研究室で日常的にセミナーや勉強会を課す事はしません。しかし、完全な放任主義とも違い、わからないときにすぐ教授や講師、先輩に気軽に質問できる雰囲気の教室なので、安心感はあります。

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