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消費者物価で読む、くらしと物価の怖い真実(3ページ目)

物価を見る代表的な指標,消費者物価指数。しかし、使い方次第で物価の見方を誤ってしまうことも。2007年の消費者物価指数と、くらし中での物価判断の注意点をお伝えします。

執筆者:石原 敬子

くらしの中での物価判断には不向き

携帯電話
携帯電話の通話料も、変動が大きく注目されている品目
なお、消費者物価指数の対象となっている商品とサービスは現在584品目ですが、私たちはこれらの全てを購入しているわけではありません。実際の生活上で、例えば生活設計において「物価が上がったか、下がったか」を参考に支出面を考えるとき、自分の生活レベルや生活様式の中で必要なものの価格がどうなっているかを個別に考えた方が、消費者物価指数よりも正確に予算を見積もることができるでしょう。

性能が向上、価格が同じなら実質下落

大幅に下落しているのは、家庭用耐久財と教養娯楽用耐久財。2005年を100として、2007年平均は、家庭用耐久財が89.0、教養娯楽用耐久財が67.8と大幅な下落です。しかし実際の家計で、これらの商品購入代金は、本当にそんなに低い支出となっているでしょうか。

家庭用耐久財とは、電子レンジや冷蔵庫など、教養娯楽用耐久財とは、テレビやDVDレコーダー、パソコン、カメラ、ビデオカメラなどです。

確かに、これらの商品は価格競争が激しいものばかりですが、実は消費者物価指数を見る上では、これらの価格変化には、注意をする必要があります。消費者物価指数は価格の変化を測定する目的なので、同じ性能や品質の商品の価格変化を見ていきます。裏返せば、性能が向上しても価格が同じなら、消費者物価指数は下落したことになります。

また、景気が良くなって、消費者が質の良い商品を選んで購入したとすると、家計調査での平均購入価格は引き上がります。しかし消費者物価指数では、同じ商品の価格が据え置かれていたら、指数は変化しません。

次のページでは、消費者物価指数をくらしに活かす場合の注意点をまとめてみました。
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