1ページ目 【「内閣改造」「特命大臣」「党三役と内閣改造」まずは基本的説明】
2ページ目 【改造内閣の顔ぶれと「ポスト小泉」閣僚の解説】
3ページ目 【その他の気になる注目人事と党三役人事の解説】

意外と「想定内人事」か、政治学の女性ホープ 特命大臣 猪口邦子氏

当選1回といえども、一流の国際政治学者、猪口邦子氏。入閣させるつもりで自民党からの出馬を要請していたのではないでしょうか。

ジュネーブ軍縮会議全権代表、というキャリアも光りますが、政治学者としてはなんといっても「吉野作造賞」の受賞者であるということ。日本政治学の第1人者に与えられるこの賞を受賞しているところに、彼女の学者としての能力が見て取れます。

経済学者だった竹中氏と違い、国際政治学者として入閣した猪口氏。外部から日本政治を見つめてきた「プロフェッショナル」が、内部でどのように動いていくのか、まずはお手並み拝見です。

自民党きっての政策通……実は「ポスト小泉」? 特命大臣 与謝野馨氏

自民党で政策通、といえばまずはこの人、というくらいの人物。名前でお分かりのように、与謝野晶子の孫です。

しかし落選・浪人経験を2回している苦労人。東京1区というまさに「都市の中枢」にいて、肌で日本政治の変革を痛感し、旧亀井派から離脱、無所属になった人です。

「NPO、NGOとの連携」自民党で当選9回、67歳の政治家の発言とは思えない大胆で、かつ魅力のある提言ができる人です。

もちろん、ポスト小泉への執着はないでしょう。しかし、こじれた場合、若手に「次の選挙までお願いします!」ともいわれかねません。経済担当になったわけですが、景気が上向けば、彼の評価は日増しに高まるでしょう。

苦節29年……やっとつかんだ大臣の椅子 特命大臣 中馬弘毅氏

1976年に衆院議員に当選、これまで当選9回を重ねながら、大臣の椅子を手にすることのなかった中馬(ちゅうま)氏、ようやくの大臣就任です。

理由はいろいろあると思います。まず、河野洋平(現衆院議長)氏らとともに自民党から分派した「新自由クラブ」に籍を置いていたということ。そしてその後、やはり河野氏とともに小グループ(河野グループ)を作り、陽の当たらない場所を歩んできたということ。

しかし、大臣の椅子だけで満足して欲しくないところですね。がんばって手腕を発揮して欲しいものです。

自分で認める「首相の一番のイエスマン」 幹事長 武部勤氏

自分で認める「小泉首相の最高のイエスマン」、留任です。山崎派という小派閥の出身ながら、郵政国会で「恫喝役」と努め、衆院選での自民圧勝を導きました。

武部氏が2001年の総裁選で反小泉陣営に廻りながら、直後の第1次小泉内閣で農林水産大臣に任命されたのが彼にとっての「サプライズ」。以後、小泉首相に対する「忠誠心」はまさに武士が主君に対するそれに似たようなものがあるようです。

もっとも、能力的な部分では農水相時代のBSE問題でのごたごたで見えるとおり「不透明」。小泉首相への高い忠誠心を、首相に「使われている」感じがなきにしもあらずですが……。

旧橋本派の代表として党をまとめられるか 総務会長 久間章生氏

旧橋本派の中心人物(平成研究会事務総長)で、留任です。

安全保障・国防などに詳しい人物で、1998年には防衛庁長官を務めたほか、2001年、「9・11」を受けてテロ特措法を制定するために設けられたテロ対策特別委員会、2002年には有事関連法案制定のための有事関連特別委員会に、それぞれ筆頭理事になっています。

党内融和の要となる役職。小泉首相は、安全保障的に思想の近い人で、かつ大きな派閥の有力政治家を引き続きあてて行きたい、ということなのでしょうか。

鋭い眼光と大きな体で政策部ににらみをきかせる? 政調会長 中川秀直氏

国会対策委員長からの起用。森派です。内閣官房長官の経験もあります。国会対策委員長として郵政国会を乗り切ったことが評価されたといえます。

政策通、という声はあまり聞こえてこない人ですが、小泉構造改革、とくに郵政民営化などに象徴される規制緩和については一貫した論調を張る人物。自民党の「政策立案機関」である各部会、調査会ににらみをきかせる、というところでの起用でしょうか。

小派閥・無派閥組をたくみにつかった小泉流人事

今回もやはり、小派閥や無派閥組を重用して派閥勢力をけん制するかたちの人事になりました。たとえば森派を除けば、第2派閥・旧橋本派は3人、第4派閥伊吹派(旧亀井派)はわずか1人、第3派閥・旧堀内派にいたってはゼロです。

他は全て森派と小派閥・無派閥組。小泉首相は、このやり方で度重なる試練を乗り越えています。

たとえば、小泉首相は最初、五大派閥(森派・旧橋本派・伊吹派(旧亀井派)・旧堀内派・山崎派)のなかでは最も小さな山崎派の領袖、山崎氏を幹事長にすえました。

そして、田中真紀子氏、加藤紘一氏、与謝野馨氏、二階利博氏、などといった小派閥・無派閥組を重用し、大派閥の力の「防壁」にしてきました。

今回もこのような人事。派閥は崩れていくのか、それとも党本部との融和をはかり共存共栄を模索していくのか。今後の自民党を占う意味で注目です。

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