1ページ目 【「内閣改造」「特命大臣」「党三役と内閣改造」まずは基本的説明】
2ページ目 【改造内閣の顔ぶれと「ポスト小泉」閣僚の解説】
3ページ目 【その他の気になる注目人事と党三役人事の解説】

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【改造内閣の顔ぶれと「ポスト小泉」閣僚の解説】

第3次小泉改造内閣の顔ぶれ

内閣総理大臣 小泉純一郎(森派)
総務大臣 郵政民営化担当 竹中平蔵(無派閥)
法務大臣 杉浦正健(森派)
外務大臣 麻生太郎(河野グループ)
財務大臣 谷垣禎一(谷垣派)留任
文部科学大臣 小坂憲次(旧橋本派)
厚生労働大臣 川崎二郎(谷垣派)
農林水産大臣 中川昭一(伊吹派(旧亀井派))
経済産業大臣 二階俊博(二階グループ)
国土交通大臣 北側一雄(公明党)留任
環境大臣 沖縄・北方対策特命大臣 小池百合子(森派)留任
内閣官房長官・安倍晋三(森派)
国家公安委員会委員長・防災特命大臣 沓掛哲男(森派)
防衛庁長官 額賀福志郎(旧橋本派)
男女共同参画・少子化特命大臣 猪口邦子(無派閥)
金融・経済財政政策特命大臣 与謝野馨(無派閥)
行政改革特命大臣 中馬弘毅(河野グループ)
科学技術・食品安全特命大臣 棚橋泰文(旧橋本派)

では、注目の人たちを見て行きましょう。

緊密な調整役に徹することができるか? 内閣官房長官 安倍晋三氏

ここにきましたか、安倍氏。「ポスト小泉レース」一番手、当サイト「あなたの一票」でも54%が「ポスト小泉」と選択しました。

しかし、内閣官房長官とは……なかなか多難な仕事を任されました。その職務については拙稿「内閣官房長官って何する人?」もご参照くださればと思います。

一言で言うと、内閣官房長官というのは「各省庁の調整を行い内閣総理大臣の補佐を行う」重要な役職。大所帯自民党や、公明党、そして官庁、さらには外国政府との円滑な連絡がとれなくてはいけません。

ややもすれば「タカ派」といわれ、その言動が取りざたされることもある安倍氏。副長官の経験があるとはいえ、ここでその「調整作業」がきちんとできるか、まさにひとつの試練と言っていいでしょう。

1993年初当選で当選5回。かつて当選4回にして幹事長に抜擢されるという「サプライズ」が起こりました。「幻の首相」安倍晋太郎の子。岸信介元首相が祖父、大叔父は佐藤栄作元首相。

このサプライズ人事で、難航していた小泉改革は打開されるかに見えました。しかし、2004年の参院選では民主党に改選第1党の座を僅差で奪われ、引責辞任(とはいえ、「幹事長代行」になりましたが)。

このことは、彼の人気をもってしても「勝てないときは勝てない」今の情勢を物語るものとなりました。実は「次の次」を狙っているとの噂の安倍氏。案外、黒子に徹して「レースは見学」になるのかもしれません。

ポスト小泉は多難なアジア外交の処理いかん 外務大臣 麻生太郎氏

政界のサラブレッド、いよいよ多難なアジア情勢を抱える日本外交のトップ、外務大臣に就任です。

明治の元勲・大久保利通の子孫。吉田茂元首相を祖父、鈴木善幸元首相を義父に持つ人物。そして当選9回の「ネオ・リーダー」と目されています。

よく「外務大臣は票にならない」という声を聞きますが、そういう心配のある人は外務大臣になれません。彼はその心配はないでしょう。むしろ、諸外国の例からして、「外務大臣=副首相格」という要職。岸信介、福田赳夫、大平正芳、宮沢喜一、羽田孜、小渕恵三といったのちの首相経験者が在職しています。

日本外交をうまく導けば「さすがサラブレッド」と評価。一歩間違えると、当選9回の「中二階」(政権を素通りされそうな世代)だけに命取り。どうなることでしょう。

「埋没」を防ぎたい実務・リベラル派代表 財務大臣 谷垣禎一氏

留任です。総選挙後、旧加藤派(小里派)を引き継ぎ、財政のトップとしてプライマリー・バランス(国債発行・支払いを除いた財政収支)の均衡を目指す「小さな政府」をめざして手腕を振るうことになるでしょう。

政策通として知られる人物、小泉内閣で「産業再生機構担当大臣」という地味ながら実務内容の濃い人事に就任させられたのはその呼び声から来たものだと思われました。

首相の「元盟友」だった加藤紘一氏の系統ですからリベラル系です。そういえばあの「加藤の乱」の時、涙ぐむ加藤氏を「大将なんだから!」と励ましていたのが彼です。そのあと分裂した派閥の中、加藤派に残留してきました。

地味な印象がありますが、日本経済が大きく浮揚するようならやはり彼の人気も上昇していくでしょう。しかし、浮揚効果が「想定内」であれば、埋没の危険性も……。


郵政民営化の先にあるものは……? 総務大臣 竹中平蔵氏

いよいよ所轄官庁、しかも総務大臣という大任です。旧自治省・旧総務庁・旧郵政省が合体してできた「平成の大官庁」の主任大臣です。

ですからもはや郵政民営化だけが仕事ではありません。通信から地方自治まで、たくさんの「実務」を抱えています。これら「実務」を行わせるということは……巷で噂されるように、彼も「ポスト小泉レース」に乗せられた、ということでしょうか。

郵政民営化が「レールに乗った」今、当面の課題は「三位一体の改革」。三位一体の改革についての解説は拙稿「三位一体改革の基礎知識」をご覧ください。

小さな政府と地方自治の強化を目的としたこの改革にどう道筋をつけることができるか……またまたかなりの難題です。うまく行けば、国民的人気が上昇し、「初の参議院議員総理大臣」になれるかもしれませんね。

首相の信頼の厚さをうかがわせるのが「慶応パイプ」。元慶応大学教授で総合政策学部学部長だった加藤寛氏(現:千葉商科大学学長)が若き小泉首相に郵政民営化を説いたといい、そして加藤氏の弟子筋にあたるのが竹中氏です。

日本初の女性首相の可能性が現実的に? 環境大臣 小池百合子氏

留任です。刺客として見事その役割を果たした「論功」でしょうか。彼女はおそらく内閣残留なら留任を望んでいたはずです。

なんといっても元ニュースキャスターであり、テレビ映りとコメントはうまい。そして時代の先端を行く「環境大臣」です。これから世界規模での環境外交が行われるなか、彼女の露出度はさらに大きくなるでしょう。

日本新党の参議院議員を務めた後、衆議院に転進。合計6回当選してますから、実は案外、安倍氏の有力ライバルになるのかもしれません。

「新しい歴史教科書を作る会」の支持者でもある右派系。しかし、世界ではサッチャーもしかりで、女性だと「タカ派色」が薄まり支持が集まりやすいところがあります。「ポスト小泉レース」の伏兵的存在と、私は見ています。

では、次ページで党3役と、その他の注目人物を見て行きましょう。

◎「ポスト小泉」候補たちは多難な任務を抱えて各省庁へ……。