(2005.11.01)

いよいよ第3次小泉内閣の「最後の内閣」と目される(あくまで、「目される」ですが……)第3次小泉改造内閣の発足です。いったい「ポスト小泉枠」「女性枠」は?気になる改造、まずは速報です。

1ページ目 【「内閣改造」「特命大臣」「党三役と内閣改造」まずは基本的説明】
2ページ目 【改造内閣の顔ぶれと「ポスト小泉」閣僚の解説】
3ページ目 【その他の気になる注目人事と党三役人事の解説】

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【「内閣改造」「特命大臣」「党三役と内閣改造」まずは基本的説明】

そもそも「内閣改造」とは

内閣改造というのは、「総辞職しないで閣僚を代える」行為のことです。

つまり、
総辞職=内閣総理大臣含め閣僚全員辞職
内閣改造=内閣総理大臣は辞職しない(つまり、総辞職しない)
ということです。

なぜ「内閣改造」を行うのか

自民党政治の中において、内閣改造はわりと頻繁に行われてきました。自民党政治においては、「年功序列」型人事でとにかく順番の人を大臣にする。そんなことのために、内閣改造が年1回ほど、定期的に行われてきました。

小泉首相はそのような内閣改造を否定します。最初は「1内閣1大臣」といってましたからね。

しかし、総裁選のあとなど、「人心一新」を狙った内閣改造を行っています。それだけ小泉政権は多難だったわけですが……。結局、これで内閣改造は4回目になります(第1次で2回、第2次で1回、第3次で1回)。

「郵政国会」が終わり、一息ついての「内閣改造」

ただ、このように「第3次内閣の成立から1ヶ月たらずの改造」は異例でしょう。

小泉首相は、まず総選挙後の特別国会での郵政法案可決、そして「造反議員」の処分を先決にし、内閣人事は総選挙前の内閣と変わらない人事にしました。

そういうわけで、「改造内閣」とはいわれますが、事実上、これが「第3次小泉内閣」の発足、と考えていいのでしょう。

内閣の構成……所轄のある大臣と「特命大臣」

内閣における大臣(正式には「国務大臣」ですね)の数は法律で決まっています。

内閣法第2条
2 前項の国務大臣の数は、14人以内とする。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人以内とすることができる。


むかしは20人以内だったのですが、2001年実施の中央省庁再編にあわせて少なくなりました。

その中で、所轄官庁のある大臣は12名です(防衛庁、国家公安委員長含む)。所轄のない大臣をおくこともできます。これを「無任所大臣」といいます。

もっとも、「経済財政政策担当大臣」のような場合、「無任所大臣」といえなくもないですが、普通は「特命大臣」といって区別します。彼らは内閣総理大臣の直属の機関、内閣府の一員だからです。

内閣府設置法第9条
内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために特に必要がある場合においては、内閣府に、内閣総理大臣を助け、命を受けて第四条第一項及び第二項に規定する事務並びにこれに関連する同条第三項に規定する事務(これらの事務のうち大臣庁等の所掌に属するものを除く。)を掌理する職(以下「特命担当大臣」という。)を置くことができる。


「党三役人事」も内閣改造の一貫

そして、自民党の三役人事の改造もまた、内閣改造の一貫です。党三役は、与党の中心として内閣と与党の橋渡しをする重要な役割を持っており、内閣改造と一体となって行う必要があるのです。

党三役とは、
・幹事長
・総務会長
・政調会長(政務調査会長)
のことをいいます。

幹事長……名実ともに「自民党のナンバー2」

幹事長は、総裁を補佐する自民党のナンバー2です。今までの首相経験者の多くは、幹事長を経験していることが多いのです。

岸信介、三木武夫、田中角栄、福田赳夫、大平正芳、中曽根康弘、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗。歴代20人の総裁のうち、10人が経験している重要ポストです。

総裁は首相として党を空けることが多いので、党の第1人者は幹事長になることが多いのです。また、直属の局として人事局、総務局、経理局があり、大きな権限を握っています。

今、政党助成制度や政治献金規制により、「カネ」の流れは必然的に政治家や派閥から党本部に移っています。そういった意味で、これからますます重要ポストになることでしょう。

党内融和のカギ・総務会長と政策通が求められる政調会長

自民党の最高意思決定機関は年1回の党大会であり、またそれが開かれない場合は両院議員総会を行いますが、頻度は多くありません。

代わりに恒常的に開かれているのが総務会であり、ここでどの法案を提出するか、など重要なことが決められます。こと国会中においては重要な機関です。

首相経験者のうち佐藤栄作、鈴木善幸、宮沢喜一、森喜朗が歴任しています。とくに鈴木と森は典型的な「調整型人間」で、それなりの調整力が求めれる役職と言えます。

政調会長は党の政策立案を担う重要な役職で、その下には多くの政策分野にわかれた部会や調査会があり、これらの調整にあたります。よって政策通なだけでなく、いろんな政策分野に幅が効く人物が求められます。

ここにも大物ずらりです。田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、橋本龍太郎、と5人の首相経験者が在職しています。また、山崎拓、加藤紘一、亀井静香や、「幻の首相」といわれる安倍晋太郎、渡辺美智雄も在職しています。

気になる改造内閣と党三役のメンバーはどんな人?

それではさっそく、次のページから解説していきましょう。

◎おそらく最後の人事、首相官邸で小泉総理は何を考えたのか?


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