２ページ目 【イギリス政党政治も実は波乱万丈だった】
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【「二大政党制」イギリスの第３・第４政党とは？】
50以上の議席をもつ第３党、自由民主党とは？
自由民主党（ＬＤＰ）は、自由党が、労働党から離脱した右派との連合から1980年代後半に生まれたものです。1997年選挙で議席を倍増させ、2001年選挙でも議席を増やした、勢いのある政党です。今回の選挙はブレア首相のイラク政策に対する批判の高まりから「混戦」が予想されるのですが、ブレア自信の人気も相変わらずなので、自由民主党が票を「食う」としたら、迷走を続ける保守党の票かもしれません。
今回、自由民主党に質問をメールでしたところ、ご返信いただきました。つたない訳で申し訳ないのですが、ここに紹介させていただきます。
自由民主党への質問１ 自由民主党の、他の党との違いを教えて下さい。
自由民主党は、現実的なもう１つの選択肢を提示します。労働党の権威主義的な本能に代わるもの、そして、保守党の島国根性で偏狭な本能に代わるものを。また、われわれは（労働・保守・自由民主の）三大政党の中ではもっとも親ヨーロッパ的で、国際的な精神を持った政党です。われわれは、イラク戦争に唯一反対した政党でした。われわれは、三大政党の中ではもっとも環境に配慮した緑色の政党です。
そして最後に、名前が示す通り、われわれはもっとも「リベラル」な政党であり、そのものとして、社会市民、個人の権利を、抑圧的な政治の雰囲気から強く守るようになるのです。
自由民主党への質問２ もし総選挙で過半数割れした場合、連立政権を組みますか？
自由民主党は、過半数割れした議会において連立政権を構成する意図はありません。これは２つの理由からです。もし、議会が過半数割れしたことになれば、それはトニー・ブレアと労働党の現在の大きな勢力を考えると、大きな敗北であることを示していることになります。このことは、労働党に対する深い不満を指し示しており、それゆえにわれわれは、もし多くの人々が破たんした労働党の政策を支えようとするなら、それに逆らうことはしないでしょう。第２に、自由民主党は、他の政党とは本当に比べることができない政策で、明確なポジションを占めています。もし十分な人々が自由民主党に賛成して自由民主党の下院候補に投票するなら、そのとき、彼らは自由民主党の政策を代表する下院議員を得ることができるのです。
筆者（……これは、自由民主党の政策の自信の表れなのでしょうか。他の党と違って、自由民主党の政策は選挙後に変わったりしない、ということなのでしょうか……わたしはそうとりました。
いずれにせよ、（訳が拙いせいもありますが）自由民主党の政策を実行させたければ、有権者が投票するべきだ、ということのようです。日本人にはなかなかわかりにくいレトリックです。）
自由民主党への質問３ 反イラク戦争政策は、政局にどのように反映されますか？
イラク戦争は、自由民主党と労働党との連立を困難にする問題の一つです。自由民主党からのメールをもらって……
ということで、自由民主党は基本的に（１）親ＥＵ、（２）協調外交派、（３）環境重視、である政党ということがわかりますね。加えて医療保障、国民健康政策にも重点をおいています。しかし、過半数割れしても連立政権を組まないとは……やはりイギリスでは過半数割れしても比較第一党が政権を担うべきだという伝統も、ここには反映されているのでしょうか。できれば直接、お話をお伺いしたかったところです。
というわけで、どうも世論調査の結果だと、労働党がまた抜けてきているようななか、保守党の議席をどこまで自由民主党が「食う」ことになるのか、注目したいですね。21世紀は、労働＝自由民主の二大政党制に、なるのかも……
イギリスの地域政党
第４党は、スコットランド国民党（ＳＮＰ）です。1934年の設立と歴史は古いのですが、議席を得たのは1970年です。昔は急進的だったのですが、今は親ＥＵ、穏健路線へと転換していきました。1999年に設置されたスコットランド議会では第２党です。ＳＮＰからも簡単にメッセージを頂きました。
基本的なＳＮＰのゴールはＥＵ内におけるスコットランドの独立です。ＳＮＰは、われわれのスコットランド独立の住民投票実施という約束を持つための連立政権にしか参加しません。
穏健路線とはいえ、最終的に国家としてのスコットランド独立を目指しているのですね。
ほかの地域政党として、「プライド・カムリ」というのがあります。プライド（あのケルト地方独特の格子じまの）カムリ（ウェールズの原語）は、ウェールズの地域政党です。
当然、ウェールズ議会では第２党と強い力を持っています。最初はウェールズ文化の保護をうたっていましたが、今は自治の拡大の要求へと移ってきています。
また、北アイルランドの主要政党として、アルスタ－・ユニオニスト党（ＵＵＰ）があります。彼らは、北アイルランド地方政府の与党であり、イギリス残留を主張しています。
というわけで、ひそかに注目しておきたいイギリス総選挙は5/5！
というわけで、今回の選挙いかんによっては、イギリス政党政治が21世紀に向けて、一つの大きな節目を迎えることになるかも知れません。大勢判明は、時差もあるので日本時間だと６日昼くらいでしょう。興味を持って見てみたいものです。※ユニセフがダルフール緊急募金を募っています。こちらをごらんください。一番下に振込先がありますが、できれば最初から見ていただいた方がいいと思います。
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写真提供 / イギリス自由民主党
