社会ニュース/よくわかる時事問題

どこまで進んだ?企業のメンタルヘルス対策(2ページ目)

患者が倍増するなど、深刻化するうつ病。職場でも、心の病に悩む社員が増え、メンタルヘルスケアは待ったなし!の時代です。そこで、企業のメンタルヘルス対策は、どの程度まで進んでいる?

執筆者:志田 玲子

どんなメンタルヘルスケアに取り組んでいる?

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長時間労働も、うつ病の要因になり得ます。連日の残業続きで、心も疲労困憊している?
各企業は、どんなメンタルヘルスケアに取り組んでいる? 1ページの厚生労働省資料の中から、回答が多かったものをひろってみると……

■相談(カウンセリング)…… 55.2%
■定期健康診断での問診…… 43.6%
■従業員に対する教育研修、情報提供…… 35.7%
■労働時間等の改善…… 30.3%
■管理監督者に対する教育研修…… 28.9%

最も多いのが相談の実施で、半数以上に上り、健康診断の問診がこれに続きます。また、教育研修は、従業員対象のものより、管理監督者対象の方が、若干少なくなっています。そして、労働時間等の改善は約3割。長時間労働が問題視されているご時勢のわりには、取り組んでいる企業数が少ない……。

取り組みに際し、気を配っていることは?

一方、取り組みを進めている企業のうち、約9割が「留意していることがある」と回答しています。その中身は?
■従業員のプライバシーへの配慮…… 87.0%
■職場配置、人事異動等…… 48.7%
■家庭・個人生活等、職場以外の問題への配慮…… 35.1%

プライバシーへの配慮がトップで、約9割。たしかに、心の悩みを打ち明ける場合、プライバシーがきちんと守られなければ、安心して相談などできませんね。次いで、人事配置が約半数、プライベートな問題への配慮は3分の1強となっています。

取り組みが進まない理由は?

他方、「メンタルヘルスケアに取り組んでいない」と答えた企業は、全体の76.5%。そのほとんどが中小企業ですが、取り組んでいない理由とは?
■専門スタッフがいない…… 46.1%
■取り組み方が分からない…… 39.9%
■経費がかかる…… 19.9%
専門スタッフの不在が最多で、半数近くに上り、やはり人材確保がネックになっている模様。ただ、経費の問題を挙げた企業は約2割に留まり、ちょっと意外……。中小企業のメンタルヘルスケアは、「カネより人の問題がネック!」と言えそうです。

最後に、メンタルヘルスケアに超やさしい企業の実例をご紹介! → 次のページへ
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