徒歩10分も11分も実質的な時間差は小さい?

前ページのデータから、徒歩10分と11分とでは1割近い坪単価の差があることが分かりました。専有面積70m2に換算すると、じつに400万円の差になります。「徒歩10分以内」かどうかは、価格設定に大きく影響するようです。

でも、冷静に考えてみると、徒歩10分と11分とにそれほど大きな差があるでしょうか。所要時間は徒歩ルートに「1分=80m」の式を当てはめ、端数は切り上げる単純計算で表示されます。実際のルートはアップダウンや信号待ちなどがあるため、10分か11分かは「誤差の範囲内」と言えなくもありません。そうなると、実質的に大きな差がないのに価格に差がついていることになり、徒歩10分よりも徒歩11分のマンションのほうがお買い得と言えるのではないでしょうか。

駅から遠いマンションは値下がりも大きい

ただ、本当にお買い得かどうかを判断するには、買ったマンションを中古で売るときにいくらで売れるかも考える必要があるでしょう。安く買ってずっと住むならよいのですが、途中で売ることになったときに大きく値下がりしていると、その分「お得度」が低くなるからです。

そこでグラフ3を見てみましょう。これは94年に分譲されたマンションが10年目の03年にいくらで売れたかを、分譲時を100とした指数で示したデータです。最寄り駅からの所要時間別に見ると、分譲時の坪単価と同様に駅から離れるほど水準が下がる傾向にあります。つまり、「駅から遠いマンションは分譲時の価格が安いが、売るときの値下がりも大きい」ということが一般的に言えるのです。



値下がり率は徒歩10分も11分も大差ない

この法則を当てはめると、「徒歩11分のマンションはたしかに買うときは割安だが、売るときに大きく値下がりすると帳消しになってしまう」と推測することができます。本当にそうなのでしょうか。

グラフを見ると、「8~11分」がひとくくりになっており、10分と11分との差は分かりません。でも、「8~11分」と「12~15分」はともに60前後で、さほど大きな差ではないのです。ここから類推すると、徒歩10分も11分も、買った後の値下がり率ではそれほど大きな差は出ないと考えることができるでしょう。

もちろん、グラフ1・2とグラフ3とでは対象としているマンションが異なります。個々の物件の条件の差や中古市場の動向なども関係してくるので、一概には言えません。でも、一般的に言えることは、「徒歩10分以内」という条件にこだわり過ぎず、10分を少し超えたマンションも検討してみる価値は十分にあるということなのです。

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