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「徒歩10分以内」にこだわると損をする!?

マンションを選ぶ条件として、最寄り駅からの近さは重要なポイントです。でも、近いことだけにこだわると、かえって「お買い得」物件を逃すことにもなりかねません。その辺りの事情をデータで探ってみましょう。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

あなたはマンションを選ぶとき、最寄り駅から何分くらいまでの範囲で探すでしょうか。毎朝の通勤や通学のことを考えるとなるべく駅に近いほうがいいと考える人が多いかと思いますが、半面、駅に近いと価格は高くなる傾向にあるので、だれもが駅前で買えるわけではありません。では、駅から何分くらいのマンションが「お買い得」なのか、マンション調査を手がける東京カンテイのデータから考えてみましょう。

駅から近いほど価格は高くなる

まず、駅からの所要時間によってマンションの価格がどのくらい変わるのかを見てみましょう。2004年に首都圏で分譲された新築マンションの平均坪単価(3.3 m2単価)を、所要時間別に示したのがグラフ1です。

5分ごとに区分してみると、きれいに右肩下がりのグラフになっています。やはり「駅から近いほど価格が高くなる」という法則は正しいようです。特に徒歩10分以内と11分以上とでは、坪単価に大きな格差が出ていることが分かります。



「徒歩5分」が第一の壁となる

次に、所要時間をもっと細かく1分刻みにしてみましょう(グラフ2)。すると、全体的には右肩下がりですが、いくつかの波があることが見て取れます。まず5分以内の部分を見ると、3分の坪単価を底にM字型になりました。多くの駅では徒歩3分くらいまでが商業地域であることが多く、子育てなどに適した環境とは必ずしも言えないかもしれません。4分、5分と駅から離れるごとに住宅地らしい環境が整ってくるため、価格がいったん上昇すると考えられそうです。

6~10分の部分では、まず6分の坪単価が5分と比べてかなり下がっています。やはり「徒歩5分」というのはひとつの壁なのでしょうか。7分、8分と価格が高めに維持されますが、9分、10分になるとまた大きく下がります。9分も10分も、「だいたい徒歩10分くらい」とひとくくりにとらえられがちなのかもしれません。



「徒歩10分の壁」は大きい

徒歩11分になるとさらに坪単価が大きく下がり、200万円を切っています。11分以上では20分あたりにやや波がありますが、ほぼ右肩下がりで徐々に単価が下がっていきます。

11分のところで大きく下がるのは、やはり「徒歩10分の壁」があると考えられます。平均面積が広くなると坪単価は下がるのが通常ですが、今回のデータでは10分も11分も70m2そこそこの平均面積なので、単純に「面積が広くなったから坪単価が下がった」というわけでもなさそうです。

ではお買い得なのは徒歩何分か、次ページでは意外な結果が!?
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