最大火力で揚げ物をすると発煙する機種も
IHクッキングヒーターは少量の油で揚げ物をすると正確な温度コントロールができないとされていましたが、最近は200g程度の油でも調理可能な製品も登場しています。そこで少量の油を使った場合の温度制御について調査したところ、実験した6つの機種ではいずれも設定温度(200℃)の±20℃にコントロールできていて問題はありませんでした。ただ、誤って加熱キーで調理すると温度設定ができず最大火力となり、3機種は異常を検知して運転を停止したものの、2機種は設定温度より10~20℃高めのまま運転を続けました。1製品は一時的に油の温度が250℃を超え、煙が出たそうです。
調理の直後はトッププレートが高温になる
手軽で安全といわれるIHクッキングヒーターにも思わぬ危険が潜んでいる |
IHクッキングヒーターはトッププレートが熱くならないと誤解している人もいるようですが、調理の直後は高温になっています。特にオールメタル対応の機種でアルミや銅の鍋を使ってお湯を沸かすと、300℃以上の高温になっていたそうです。このケースでは、高温注意表示ランプが消えたときでも約80℃と、やけどの危険がありました。1つの機種では、加熱してトッププレートが高温になっても高温注意表示ランプがつかないときがあったとのことです。
アルミや銅の鍋では熱効率が悪くなる
IHクッキングヒーターはガスより早くお湯が沸くといわれます。たしかに実験では3リットルの水を沸かす時間が5.8~6.3分と、ガスの8.6分に比べて効率が良いようです(IHクッキングヒーターの数値に幅があるのは、実験したオールメタル対応品が2機種あるためです)。ただし、これはステンレス鍋の場合の話。アルミや銅の鍋を使うと、ガスでは8.6~8.8分とステンレス鍋とほぼ変わらないのに対し、オールメタル対応品では11.8~15.0分と逆転します。気になる光熱費ですが、オールメタル対応品の場合、ステンレス鍋で3リットルのお湯を沸かす費用は6.4~6.5円なのに対し、アルミや銅の鍋では8.8~12.6円かかりました。これはステンレス鍋の場合の熱効率が79~81%なのに対し、アルミや銅の鍋は41~58%と低いためです。ちなみにガスは地域により費用に差がありますが、東京地区を例に算出するとどの鍋でも5.8~6.0円で、熱効率は38~40%だそうです。