マンション購入術/人気テーマのマンション購入

駅近ワンルームがロハスな住まいに変身(2ページ目)

駅徒歩3分のワンルームマンションをロハスな住まいに――そんな難題に挑み、自宅をリフォームした建築家がいます。完成した「都市のロハスマンション」を訪ねてみました。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

壁面収納でスッキリと収納量を確保

玄関を一歩入ると壁面収納が広がる仕事場。書類や書籍もたっぷり収納できる
玄関を一歩入ると壁面収納が広がる仕事場。書類や書籍もたっぷり収納できる
室内は玄関を入るとすぐに大きなアイランド型のキッチンがしつらえられ、洗濯機などの家電類は壁面収納に収められていてスッキリとした印象です。中央にはこれまた大型のソファが2つ並んでおり、ベッドとしても利用されるとのことでした。

隣の仕事場とは壁で隔てられていますが、バルコニーを通って自由に行き来できます。仕事場の壁も全面が収納になっていて、限られた空間を最大限に生かして収納量を確保しています。これまで3戸に1つずつあった浴室のうち自宅側の2つは撤去し、仕事場だけに集中させている点もユニークです。


自然素材と床暖房で四季を通じて快適に

リビングとバルコニーが一体化して開放的な空間に。界壁のあった天井の中央には梁形を生かした収納スペースも設けられている
リビングとバルコニーが一体化して開放的な空間に。界壁のあった天井の中央には梁形を生かした収納スペースも設けられている
ロハスな生活には自然素材も欠かせません。今回のリフォームでは床材を大理石としており、夏はひんやりとした感触が味わえます。床暖房も設置しているので冬も快適に過ごせるでしょう。また壁・天井は「薩摩中霧島壁」と呼ばれる火山灰を材料とする左官仕上げとなっており、調湿や消臭の機能があるそうです。

これだけ大がかりなスケルトン・リフォームなので、設計から竣工まで1年以上かかったそうです。特に難問だったのは音の問題だったとか。近隣の人からクレームが入るとそのたびに工事を止め、その人の都合に合わせて工事の日程を調整したといいます。界壁を取り払うのに管理組合の総会での承認も必要でした。近隣との信頼関係や日ごろからの管理組合活動への協力などがあればこそ工事が成功したと言えるでしょう。

工事費用もなかなかのもので、ちょっとした家1軒建てるくらいはかかったとのことです。「このマンションを人に貸して自分たちは都心のマンションに住み替えるという選択肢もありましたが、今の立地条件の良さは替え難いものでした。子どもがもうすぐ独立すれば夫婦2人暮らしになるので、このぐらいの広さでも十分快適に住まえるでしょう」と三山さん。利便性を重視した都市部のマンションでも、発想次第でロハスな生活空間に仕立てることが可能になるものなのですね。


関連サイト
三山真武建築設計室

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