キャリアプラン/キャリアプラン事例

官から民へのキャリアチェンジ

東大卒の元エリート官僚、車田直昭氏は、自らが手塩にかけて改革した商品取引業界を変えるべく立ち上がった。

執筆者:角田 正隆



ドットコモディティ車田直昭氏 1960年生まれ。1983年3月東大法学部卒、同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。産業政策局商務流通グループ商務室長、中小企業庁調査室長などを経て2004年8月退職。2005年1月ドットコモディティ設立、取締役副社長就任。2006年8月同社代表取締役社長就任。 
「商品先物」と聞くと何か博打のような、ネガティブなイメージを持つ人も少なくない。確かにハイリスク・ハイリターンで、不得手な相場に手を出し多額の損失を被る人も多い。ところが近年、株式投資などで資産運用を始めた個人投資家などの中には、分散投資の一環として商品先物を投資に組み入れる人が増えてきた。彼らは新しい感覚を持った投資家で、株式投資もネット証券などを主に利用し、商品先物についてもオンライン投資を好み、営業担当者の推奨ではなく自己責任で投資したいと考える。

商品先物に対するネガティブなイメージをつくる主な要因が、飛び込みなどによる強引な営業手法である。今でこそ規制などによりそうした営業はなくなったが、いまだにそのイメージがつきまとう。

こうした商品先物業界に中央官庁の官僚から飛び込んだのが、ドットコモディティ社長の車田直昭さん。経済産業省(旧通商産業省)に約20年務めたエリート官僚だった車田さんは、2004年6月同省を退職。楽天や松井証券などからの出資を得て、オンライン商品取引専業のドットコモディティを創業。その後同社社長に就任した。

これまでも多くの経営者を取材してきたガイドだが、公務員出身でしかも中央官庁のエリート官僚からの転身は始めてのケース。車田さんの思い切ったキャリアチェンジから、キャリアプランの作り方を学ぶ。


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