芸人との出会い
▲芸人、職人との出会いによって考え方が変わった |
こうしたライフスタイルの大幅な変化によって、会社員時代には見えなかった、新たな視点が生まれたようです。
「私の両親や親戚の多くはサラリーマンで、独立して稼いでいる人がいませんでした。ところが芸能という別世界で活躍する芸人さんや職人さんの生きざまを見ると、『こうじゃなきゃいけない』という思い込みから解き放たれました。まず、この世界は定年というものがありません。80歳のおばあちゃんも『一生修業です』といって日々、芸道に打ち込んでいる。『こんな生き方もあるんだ』と感銘を与えてくれる人との出会いを通じて、私のものの考え方が大きく広がったのです」
「そういう生活をしばらくして以前の同僚に会うと、以前の私は『ハリネズミ』などと言われることがあったのですが、『ずいぶん雰囲気が変わったよね』と言われました(笑)。当時は肩パットの入ったスーツを着て、ピンヒールを履いていました。それに比べるとずいぶん丸くなったかもしれません(笑)」
自称「高等遊民生活」を2年続けた後、秋山さんは夫と2人でサキコーポレーションを設立。社長に就任した秋山さんは見事な経営手腕を発揮して、同社を世界で勝負できる会社に育てました。もちろん、芸人との出会いを通じて学んだ「人間力」が、マネジメントにいかんなく発揮されています。
秋山さんの事例は、「ブランク」を最初からマイナスと考えず、ポジティブに捉えることで、仕事をしていない期間もプラスに転じるという好例ではないでしょうか。
<後編に続く>
▼関連リンク
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・子供・夫・部下を育てる 小室淑恵さん
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