本質は「人と心」と気づく
▲サンフロンティアの社員は毎朝近所の清掃を行っている |
多くの師たちを通じ、経営の原理を突き詰めて考えると、会社とは結局「人」で成り立っていることが、改めて分かってきた。さらに突き詰めれば、経営者本人の心のあり方も問われる。ビルの占拠やDPEショップの失敗などで、トラブルを呼び寄せてしまう原因にうすうす気づき始めていたが、それがあらためて自分の「欲」に起因すると気づけるようになった。ここから堀口氏は「人と心」を重んじる経営に目覚める。
まず堀口氏は、接待の飲食や接待ゴルフをやめた。決して嫌いではなかったが、いくらやっても「また行きたくなるだけ」。接待はその場限りの付き合いに過ぎず、相手が異動してしまえばまたゼロに。何も残らないというむなしさがあった。以来「コーヒーの一杯もおごらなくなった」。
社員と議論を繰り返す
その代わり当時は週に3、4回社員を連れて、居酒屋で「人生とは何か?」「仕事の意味とは?」など、根本的な考え方について議論を繰り返した。
「確かに疲れますが、同じ釜の飯を食っている仲間を本気で理解したいし、自分のことも理解してもらいたかったんです。親兄弟以上の心の絆が必要だと思ったのです」
今では「私の仕事の90%が社員教育」と言い切るほどの入れ込みようだが、それからというもの不思議なほど業績が伸びるようになった。