日本発の世界ブランド
▲サマンサタバサジャパンリミテッド 代表取締役社長 寺田 和正 氏 65年広島県生まれ。大学卒業後、商社に入社。海外ブランド輸入商社を設立。94年サマンサタバサジャパンリミテッド設立。05年12月東証マザーズ上場。参考記事「妥協を許さない『本物』になれ」 |
若い女性の圧倒的な支持を集める『サマンサタバサ』は、バッグやジュエリーを展開するMade in Japanのブランドである。さまざまな素材・色を取り揃えた「お着替え感覚」が受け、ヒルトン姉妹など海外のセレブにも愛用されている。
2006年秋冬シーズンからは、ニューヨークに路面店をオープンする。2005年12月の株式上場で得た資金調達力を背景に、世界ブランドとして本格的に海外市場を攻略してゆく計画だ。
ブランドを好み購買力のある消費者が多い日本は「ブランド天国」と呼ばれ、世界中の有名ブランドが戦略市場として位置付けている。ところがその日本から、世界に打って出ようとするブランドは少なかった。ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメスなど、ヨーロッパ発のメガブランドが世界を席巻している中、寺田和正社長の挑戦は特筆すべきものがある。
「日本ブランドの旗手」として注目を浴びる寺田氏も、独立する以前は中堅商社に在籍し、工作機械の営業を手掛けていたことはあまり知られていない。寺田氏がブランドビジネスに出会い成功を収めた道すじから、キャリアプランの拠りどころになる「軸」の定め方を学びたい。