キャリアプラン/キャリアプラン事例

T&G野尻社長の“地味な”金曜、20時(2ページ目)

テイクアンドギヴ・ニーズ野尻佳孝社長は、史上最短の東証2部上場を果たした。高校時代はチーマー、大学時代は名門明大ラグビー部で日本一に輝いた経歴を持つ野尻氏の「金曜、20時」は意外と地味?

執筆者:角田 正隆

日記は目標に対する「定規」

「定規」
日記は目標に対する「定規」だった 

ガイド:
高校時代は渋谷の有名な「チーマー」だったそうですね。それだけに日記を書くというのも意外でしたが、今はどんなことを日記に書いてますか?

野尻:
基本的に活動記録ですね。「仕事が上手く行っているか」とか、「今日は○○さんと会って食事をした」とか、「両親に会った」とか・・・、そんなことですよ。会社を創業した当初、3年分書ける日記帳を買って、「3年後に必ず会社を上場させる」という目標を最初に書き、自分自身に対するプレッシャーにしていました。

基本的に1日1ページですが、当時は3ページぐらい書いたときもあります。書いていた内容は、「目標に対して遅れている」とか「順調に進んでいる」とかで、目標に対する“定規”として日記を使っていました。そうやって自分をいつも追い込んでいたんです。日記を書きながら寝てしまうこともよくありました。

ガイド:
ワタミの渡邉社長も日記をつけているのですが、渡邉社長は日記を書くことで、「その日の出来事を清算できる」と語っていました。

野尻:
僕はそこまで到達していませんね。嫌なことは日記を書いても全然引きずりますし・・・(笑)。

何事も情熱に尽きる!

邸宅風式場
本格的なフレンチのフルコースを提供している。シェフは全員正社員!

ガイド:
結構、御社は創業時の写真とか、記録をたくさん残しています。

野尻:
自分の子供の頃の写真を見たくなるように、社員がおじいちゃんやおばあちゃんになったとき、自分の若い頃の写真やビデオを見たくなると思ったんです。会社の雰囲気もとてもいいので、これから入社する人にも見せたいと思って、意識的にビデオやカメラに収めるようにしています。

ガイド:
野尻社長は会社員時代、1年目からトップセールスだったと聞きました。最後に読者に向けて、キャリアアップするためのアドバイスをお願いします。

野尻:
僕は決して営業テクニックに優れていた訳じゃなかったんです。恋愛、スポーツすべて共通していると思うけど、何事も「情熱」に尽きるのではないでしょうか。それと必ず何事にも「目標を設定すること」を習慣にした方がいいと思います。やはり目標を立てた人が成長するし、早くゴールに到達できるんです。


日記に宣言したとおり「株式上場」という目標を達成した野尻社長。その「金曜、20時」は意外なほど地味なものでしたが、忙しい毎日の中にも日記を書き、目標を再認識する“ひととき”があったのです。

テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長 野尻 佳孝氏

1972年東京都生まれ。95年明治大学政治経済学部卒業。同年住友海上(現三井住友海上)入社。98年テイクアンドギヴ・ニーズ設立、代表取締役社長就任。2001年ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)上場、04年東証2部上場を果たす。著書に『史上最短で、東証二部に上場する方法。』がある。


関連リンク
・記事「目標に貪欲になれ!」
テイクアンドギヴ・ニーズHP
日記のススメ「成功者の日記術」
サイバーエージェント藤田晋社長の“光速”キャリア


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