話題のお店『スープ ストック トーキョー』
▲『スープ ストック トーキョー』個性的なメニューが人気を呼ぶ |
洋食仕立ての『東京ボルシチ』や『オマール海老とわたり蟹のスープ』など、個性的なメニューが人気を呼び、若い女性などのファンをガッチリつかんでいます。
この人気店を開業させたのが、遠山正道さん(株式会社スマイルズ社長)です。遠山さんは、三菱商事から日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFCJ)に出向したとき、企画書『スープのある1日』を書き上げ、開業のきっかけを作りました。
▲『スープのある1日』この企画書が遠山さんの運命を変えた! アーティストでもある遠山社長については前編参照 著書に『スープで、いきます』がある |
企画書というと、パワーポイントなどを使い、グラフや写真をふんだんに盛り込んだ書類、というイメージがあります。ところが、遠山さんの企画書は、物語風に文字中心でまとめたシンプルな文書でした。会社の上層部に、前例のない新規ビジネスを認めさせた、遠山流の「企画力」と「プレゼン術」とは?
企画書『電子メールのある1日』
▲スマイルズ 遠山 正道 社長 62年東京生まれ。85年慶大(商)卒、同年三菱商事入社。97年日本ケンタッキー・フライド・チキン出向。99年『スープ ストック トーキョー』第1号店をオープン。2000年株式会社スマイルズ設立、代表取締役社長就任。絵画アーティストとしても活躍(詳しくは前編参照)。遠山氏の詳細キャリアは『「頼まれていない仕事」が面白い』参照。 |
三菱商事時代、建設関連の部署から情報化推進室に異動した遠山さんは、ITについては素人同然の知識しか持っていませんでした。ところが、実際に電子メールやパソコン通信に触れるうちに、その便利さに「世の中が一変する」ほどの大きな衝撃を受けます。そして、上層部に1人1台のパソコン導入を訴えるべく動きます。
そこで遠山さんは、『電子メールのある1日』という、物語風の企画書を書き上げます。具体的に分かりやすく、電子メールをビジネスに活用するシーンを描いたこの企画書は、周囲の評判を呼び、人づてで当時の三菱商事の社長も読んだほどの出来栄えでした。
遠山さんの成功体験となった『電子メールの1日』とは、どんな企画書だったのでしょうか?
Contents
1.企画書『電子メールのある1日』
2.麻雀相手を検索!?
3.イメージを具現化させるには
4.繁盛店を生んだイマジネーション力
5.「言葉」を軸に発想を広げる
6.上層部を納得させた企画書『スープのある1日』
7.“擬人化”でイメージ共有
8.あえて“語らない”プレゼン
9.アナログ vs デジタル