キャリアプラン/キャリアプラン事例

マネックス松本社長のマネジメント力(2ページ目)

「10億円捨てた男」という異名を持つ、マネックス証券松本大社長。30歳で世界的な投資銀行のパートナーとなり、マネックスを成功に導いた仕事術とは?「マネジメント」と「情報分析力」に注目。

執筆者:角田 正隆

A氏の成長エピソード

A氏の成長エピソード
「A君、これチェックしておいて!」。このひと言がA君を開眼させる。
かつての“星一徹ぶり”を示す、エピソードを聞かせてもらった。スワップ、オプションなどのデリバティブ取引は、複雑な計算式を使わなければ、取引金額などを算出できない。当時はシステムが未整備だったため、松本氏はゴールデンウィークを使い、表計算ソフトで自作の計算シートを作成した。松本氏はそのチェック作業を、新人A君に依頼したという。

簡単に「チェック作業」といっても、単に目を通すレベルの仕事ではない。いきなり「石版に刻まれた象形文字を読め」と命じているようなもので、金融理論や数学的な計算式を理解していなければ、チェックすらできない代物である。

しかしA氏は諦めず、しぶとくチェックを試みる。空いた時間と夜はシートとにらめっこする毎日が続いた。

そして1カ月後、A氏は松本氏のところにやってくる。ついに「ギブアップ」を申し出るかと思いきや―――。


10億円を捨てた男の仕事術
『10億円を捨てた男の仕事術』松本大著
A氏「松本さん、このシートを読むのは本当に大変でしたよ。でも、やっと全部理解できました。ところでシートのこの部分なんですが、もしかしたら間違ってませんか?」

松本氏が再度調べてみると、やはりA氏の言うとおり、その箇所は間違っていた。

A氏はシートの解読によって、難解なデリバティブの真髄を会得することとなった。この経験以降、A氏はデリバティブ取引のプロとしてメキメキと頭角を現し、現在は金融機関の幹部として大活躍しているという。

>シャラポワが考えながら打ってるか?

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