守備範囲が広いのが強み

特定の業界に偏らないのが強み
―――ヘッドハンターは、金融やITなど特定の業界に特化している人が多いのですが、備海さんはあらゆる業種・業界のヘッドハンティングを手掛けています。どうしてこのようなスタイルになったのですか?

備海:転職をお手伝いして満足していただいた結果、ご友人などをご紹介いただくことが増えています。すると、業種や業界を限定するわけにはいきません。自然と扱う業界が広がってしまうのです。

その分、多種多様な業界の情報収集が欠かせない苦労はありますが、逆に他業界へのキャリア・チェンジ、他業界のマーケット情報などを提供、アドバイスできるのは、自分だけの「強み」になっているのではないかと思います。

ヘッドハンターの情報収集法

―――多くの業界を取り扱うには、莫大な情報を収集しなければなりませんよね。備海さんの情報収集法を教えてください。

備海:主に雑誌を読むことが多いですね。月に30~40冊の雑誌に目を通しています。ほとんど定期購読しており、自宅に自動的に届きます。じっくり読む訳にはいきませんから、サッと目を通して気になる記事をスクラップ、移動中はほとんど情報収集に充てています。


ヘッドハンターとしての成功要因

20代からヘッドハンターとして活躍する人は少ない。多くは十分なビジネス経験を積んだ上で、業界内の人脈を財産にヘッドハンティングを始めるケースが多いからだ。なぜ備海氏が独立できるほど、ヘッドハンターとしての地位を確立できたのだろうか。その要因を分析する。

1.ネットワーキング

備海氏は「ヘッドハンティングの仕事は、『点』と『点』を繋げ『線』を作ること」だと述べている。そのためには、人材・クライアント両面に多くの“布石”を打っておかねばならない。備海氏はヘッドハンティング目的以外にも日ごろから多くのネットワークを構築しており、そうした下地がビジネスに繋がっているのだろう。

2.データベース

月間30~40冊を超える購読雑誌から、さまざまな業界の情報を蓄積している。それだけではなく、本人も東証1部企業・ベンチャー企業・新会社設立など多様なビジネス経験を積んでいる。こうして頭に蓄積されたデータベースが、ヘッドハンターに欠かせないカンである「この人はこの会社にピッタリ」という“ひらめき”を生むのだろう。クライアントの人材ニーズを具体化するため開催されるミーティングでは、クライアントに多くの具体例を投げかけ候補者のイメージを明確にするのに、このデータベースが役立っているという。

3.間合いの取り方
8m
たった30分で、相手の信頼を勝ち取る


多くの人材を知っていることが、ヘッドハンティングの第1歩。しかし、知っているだけではビジネスに結びつかない。備海氏がターゲットとするビジネスパーソンは高い年収を稼ぐハイスペック層。「年収が高い人ほど時給が高い」と備海氏がいう通り、彼らは時間に極めてシビアである。

よってヘッドハンターが最初に割いてもらえるのはたった30分。この短時間で相手をつかみ、濃密な時間を作ることがヘッドハンターとしての腕のみせどころ。相手がほしがる情報を瞬時に見抜き、期待以上の情報を提供する。さらに日ごろから話題を豊富にし、相手が好むテーマを掘り下げることで、相手の信頼を獲得するのだという。

こうしてしっかりと“つかんだ”候補者たちと、常に適度な“間合い”を取りながらイザというとき役立つ人脈にしているのだ。これは一般のビジネスパーソンも見習いたい人脈術である。



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