「あなたの熱意に負けました。提携してみましょう」相手と同じ視点に立った提案で、人を動かす手ごたえをつかんだ
ディー・エヌ・エー 代表取締役社長 南場 智子氏
▲ビッダーズHP |
順風満帆の人生を歩んで来たように見える彼女も、一流コンサルタントの座をつかむまで、何度か大きな壁を乗り越えてきたのだった。
最初は転職も考えた
「面白そう」という理由だけで、マッキンゼーに新卒入社した南場さん。必死になって成果を残そうとしたが、気持ちだけがカラ回りするだけで結果に結びつかない。2年目、「逃げるように」ハーバード大学にMBA(経営学修士)留学して、再びマッキンゼーに戻ることになるが、帰国後最初のプロジェクトで思い通りの結果を残せなかった。「やっぱりダメだ」。ついに彼女は転職活動を開始、その旨を会社に告げた。
手ごたえをつかむ
ところが会社側は、「次のプロジェクトまで残ってくれ」と強く南場さんを慰留。意外だったが、「これで最後」と思い、結局プロジェクトに参加することにする。最後のプロジェクトも、これまでと同じように結果らしい結果も出せそうにもなかった。だが、「これで最後」だと思う気持ちがリラックスさせたのか、これまでのように「なんとかしなきゃ」とは力まなかった。自然と周囲の先輩を頼りながら、なるべく正しい結論を出そうと心がけた。するとお客様に満足してただける結果を残せた。
「今まで『自分が自分が』という気持ちが強いあまり、お客様に喜んでいただくという基本を忘れていたのかもしれない―――」
「ふっきれた」南場氏は1つの手ごたえをつかむ。その後は出世街道まっしぐら、優秀な人材が集るマッキンゼーの中で、史上最年少パートナー(役員)への昇進を果たすことになる。
>南場さんが乗り越えるべき「壁」とは?