一生安泰の人生への疑問
▲カー&バイク雑誌『ahead』を手に |
特に興銀は「銀行の中の銀行」として、鉄鋼・電機・自動車など、日本の主要産業を支えてきた歴史ある銀行。銀行に入っていれば一生安泰というムードの中、銀行員という生き方に疑問を挟む余地はなかった。
「オマエの人生に意味がない」と言わんばかりのカルビンの意見を、その場は認めたくないと思った。「興銀の素晴しさ」などを語り、何とかやり過ごそうとした。
ジワジワと効く
▲『オンリーワン』沖縄アクターズスクール校長マキノ正幸氏と国際派エコノミスト島田教授の対談「新しいライフスタイルを提言」 |
改めて「なぜ銀行に入ったのか」「自分は銀行や金融が好きだったのか」と自問自答すると、何が自分の“夢”なのか分からなくなった。カルビンに答えた『日本の産業高度化』も、会社パンフレットの焼き直しに過ぎなかった。
流されてた人生
友人たちと同じように大学を卒業、同じように就職した。自分が銀行を選択したのも、当時の流行や風評に流されていただけかもしれない。一方、世界各地から集ってきたクラスメートは、それぞれ「自分の好きなこと」に関連した具体的な夢や目標を持っていた。「僕はこんな飲食チェーンを展開したいんだ。だからマネジメントを学ぶために、ビジネススクールに高いカネを払って勉強しに来た」という仲間に対し、「日本の産業を高度化したい」などと言っているのは自分だけ。しかも留学費用は会社負担―――。
>近藤さんの教訓「異質と向き合え!」