原則3「実弾の絨毯爆撃」
▲1本ではなく100本のバラを渡せ |
角栄はより多くカネを出すことにこだわった。
『選挙のとき公認候補に軍資金を渡す。五百万渡すとしたら、まず三百万円にする。普通ならこれが相場だった。
『ところが、田中は出ていこうとする議員を呼び止める。「ちょっと待て。キミのところの選挙区は厳しかったな」。二百万円を追加するのである。』引用:「田中角栄―その巨善と巨悪」
カネに苦労したこともある男が、何事もカネを多く出そうとする。
『大蔵大臣のとき、予算編成で秘書課の女性たちが遅くまで残業になったときは「帰りにそばでも食べなさい」と言って四、五千円を渡した。当時ならそば二十杯は食べられる金額である。』引用:「田中角栄―その巨善と巨悪」p157
▲『田中角栄の人を動かすスピーチ術』5千円の“そば”ならインパクトがある |
もし部下への愛情として「そばを食え」と実費相当額を渡しても記憶には残らないだろう。むしろ“実費相当額”というのがケチ臭くて、逆効果になってしまうかもしれない。
カネを出すなら、十分以上の額を投入して、相手を圧倒せよ。この技を「実弾の絨毯(じゅうたん)爆撃」と名付けたい。
サプライズ3「物量で圧倒せよ」 惰性でカネを出すな。出すなら相場以上につぎ込め。相場同等なら無意味、相場以下なら逆効果と心得よ。ライバルが300万円なら、自分は500万円出して、金額で相手に強烈なインパクトを与えろ。 |