キャリアプラン/キャリアプラン事例

田中角栄なる生きザマを学ぶ(5ページ目)

人に慕われ、多くの人材を集めた「昭和の藤吉郎」田中角栄から、人心を“ワシづかみ”するカネの使い方を学ぶ。キーワードはサプライズ(驚き)

執筆者:角田 正隆

原則3「実弾の絨毯爆撃」

1本ではなく100本のバラを渡せ
カネの多寡も重要なポイントだ。子供ですら相場を超えるお年玉をくれる相手はしっかり覚えていたりする。他の相場どおりのお年玉は、あまり覚えていないかもしれないが、「太っ腹のおじちゃん」「気前のいいおばさん」は大人になっても忘れない。

角栄はより多くカネを出すことにこだわった。

『選挙のとき公認候補に軍資金を渡す。五百万渡すとしたら、まず三百万円にする。普通ならこれが相場だった。

『ところが、田中は出ていこうとする議員を呼び止める。「ちょっと待て。キミのところの選挙区は厳しかったな」。二百万円を追加するのである。』引用:「田中角栄―その巨善と巨悪」

カネに苦労したこともある男が、何事もカネを多く出そうとする。

『大蔵大臣のとき、予算編成で秘書課の女性たちが遅くまで残業になったときは「帰りにそばでも食べなさい」と言って四、五千円を渡した。当時ならそば二十杯は食べられる金額である。』引用:「田中角栄―その巨善と巨悪」p157

人を動かすスピーチ術
『田中角栄の人を動かすスピーチ術』5千円の“そば”ならインパクトがある
現代でも「そばを食え」と5千円渡されたら、結構インパクトがある。地味な役所の中で、この大盤振る舞いは、ひときわ相手の印象に焼き付く。だから今でも語り草になっているのだろう。

もし部下への愛情として「そばを食え」と実費相当額を渡しても記憶には残らないだろう。むしろ“実費相当額”というのがケチ臭くて、逆効果になってしまうかもしれない。

カネを出すなら、十分以上の額を投入して、相手を圧倒せよ。この技を「実弾の絨毯(じゅうたん)爆撃」と名付けたい。

  サプライズ3「物量で圧倒せよ」

惰性でカネを出すな。出すなら相場以上につぎ込め。相場同等なら無意味、相場以下なら逆効果と心得よ。ライバルが300万円なら、自分は500万円出して、金額で相手に強烈なインパクトを与えろ。


>サプライズで怠惰な毎日を変えよう

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