キャリアプラン/キャリアプラン事例

田中角栄なる生きザマを学ぶ(3ページ目)

人に慕われ、多くの人材を集めた「昭和の藤吉郎」田中角栄から、人心を“ワシづかみ”するカネの使い方を学ぶ。キーワードはサプライズ(驚き)

執筆者:角田 正隆

原則1「カネ渡しのヒット・アンド・ウェイ」

タイム・イズ・マネー
カネを使うにもスピードを
タイム・イズ・マネー(時は金なり)なのか、角栄のカネを出すスピードは目にも止まらぬものだった。永田町でカネは“実弾”と呼ばれる。角栄は秘書にカネが詰まった封筒で完全武装させ、自身のポケットには「早撃ちガンマン」のごとく一万円札を忍ばせていた。

政治工作でカネが必要となれば、その場ですぐ秘書に封筒を出させ、料亭で芸者や下足持ちに一万円をサッと渡す。カネを出すことをおもねることなく、ポンポンと小気味よくカネを差し出す。

逆に、目の前に札束をチラつかされたら、どんな気分になるだろうか。なんともいえない不快感だけが残る。しかし、凡人はカネに未練を感じ、札束をチラつかせてしまう。それこそ、札束で頬を叩くに等しい行為だ。

超人材育成術
『田中角栄の超人材育成術』カネは相手のポケットに押し込め!
角栄はよく、カネを渡したい相手に近づき、札の入った封筒を相手のポケットに押し込んだ。相手に考えるヒマと不快感を与えず、目的を達してしまう。

この技を「カネ渡しのヒット・アンド・ウェイ」と名付けたい。

  サプライズ1「スピードで先制攻撃」
カネを渡すという、料亭で対面しながら行なうべき儀式を、立ち話で相手のポケットにカネを押し込む「スタンディング・スタイル」と、ポケットに忍ばせた「実弾(現金)」をサッと渡すカジュアル化で、驚きを演出。


>原則2「カネの無差別攻撃」

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