サラリーマン時代
▲議会で活躍する田中氏 |
しかし、勉強会で社会問題を論じても、直接社会に働き掛けることができない歯がゆさが、日増しに高まってゆく。
「勉強会の議論は、評論家のように、目の前にある“ゴミ”をどうするか、抽象的な議論を繰り返すだけです。結局、議論だけしても、具体的な問題解決には繋がらないのです。一方、議員は、その“ゴミ”をすぐ拾って解決するのが仕事。その差は歴然としていました」
議員という立場から、率先して自分が社会を変える仕事がしたい、政治家を夢見ていた情熱が再び湧き上がってきた。
田中さんのサラリーマン時代についてはこちらをご参照ください。
▲恩師小沢一彦先生と |
小沢先生のアドバイスは明確だった。
「今、何を1番やりたいか考えろ―――」
そして、先生はかつての教え子の話をしてくれた。彼は明確な目標を持ち、それに燃えていたが、若くして病に倒れ、夢半ばでこの世を去ったのだという。彼は先生に宛てた手紙に「まだ死にたくない」と書き残した。その手紙を読ませてもらって、田中さんの決意は固まった。
「思い立ったが吉日。今、行動するしかない」
早速、彼は銀行に辞表を提出、会社の寮を出て、自宅兼のアパートを拠点に、たった1人で選挙活動を始めた。