キャリアプラン/キャリアプラン事例

「29歳で衆議院議員」インタビュー(4ページ目)

政治家として歴史に残る仕事をしたい―――。元・外資系企業社員、村越祐民氏(30)は、衆議院議員に29歳で当選。きっかけは立候補者の「公募」だった。

執筆者:角田 正隆

乱戦を制した「戦略の勝利」

村越議員が出馬した、2003年の衆議院議員選挙・千葉5区は、現職候補と自民党・民主党の公認候補が1議席を争う、3つ巴の激戦区だった

―――衆議院選を勝ち抜いた「勝因」は?
国会議事堂前の村越議員
村越議員(国会議事堂前)

村越:それは「戦略の勝利」だったと言えます。当時は、“2大政党制”と“マニュフェスト”がキーワードになりつつありました。僕の選挙区である市川市・浦安市などの都市部は、そうした時代の変化に極めて敏感です。

それをいち早く察知した僕は、党の訴えるマニュフェストに対して、自分はこのように考えるという趣旨の演説を行い、あえて自分の話は前面に出さなかったのです。

ライバルも冷静に分析しました。人気があった現職候補は“不敗神話”を誇る脅威でした。しかし、独自で立ち上げた政党で出馬し、政権担当能力という点で疑問視されました。もう1人の対抗馬だった他党の若手新人に対しては、「徹底して演説して、真正面から政策を訴える」自分の選挙スタイルに集中特化して、量・質両面で優位に立ちました。

代議士の「守破離」

【守破離】芸を極めるには、最初は指導者の教えを忠実に守り、次に自分なりの工夫を加え、指導者の教えを破る。最後に指導者を離れ、自分で技を発展させるものという教え。

―――衆議院議員の当選直後のインタビューで、「まずは『守破離』の『守』に徹する」とコメントしていました。衆議院議員に就任から1年が経過し、そろそろ「破」や「離」の段階ではないでしょうか?
村越議員のパンフレット
村越議員が主張する「5+1の政策」ビジュアル的で分かりやすい 村越ひろたみHPより

村越:まだ師を越える段階ではありませんが、自分流のスタイルを確立しつつあります。

これまで私は、「安全保障委員会」や「財務金融委員会」などの委員会を中心に議員活動を行なってきました。確かに所属委員会での質疑は、長期的な日本のあり方を決める重要な議論ですが、一方では、生活感が乏しいと感じていました。

最近は、具体的な当事者がいる地元の課題や陳情など、短期・中期の問題にも対応し、議員活動の幅が広がってきました。議員立法や超党派の議連による活動にも参加し、いい仕事ができていると思います。

>>>次ページで、村越議員が政治家を目指した過程を描く>>>
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