食べ過ぎ・飲み過ぎによる胃の疲れで起こる様々な不調
忘年会、クリスマス、新年会と宴会シーズンは、胃腸がこき使われる時期です
ところが、不規則な生活や食べ過ぎ・飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎ、過剰なストレス、風邪薬の副作用などによって、「胃酸」と「粘液」のバランスが崩れたり、蠕動運動がうまく行われないと、さまざまなトラブルが起こります。
よくある胃のトラブル
■胃もたれ蠕動運動が低下し、消化がうまく行われないことで、胃の中にいつまでも食べ物が残ってしまう時におこります。
■胃痛
空腹時や寝ている時などに、胃(みぞおちの周辺)の痛みを感じること。胃酸の出すぎによる刺激でおこります。
■胸やけ
胃液が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激することでおこります。胃酸の濃度が高い時の症状です
疲れた胃にも休息を! 胃を休めることの大切さ
胃痛や胃もたれなどのトラブルがあるときは、なるべく胃に負担をかけないように胃を休ませることを心がけましょう。断れない接待や会食だからと言って、飲み過ぎ、食べ過ぎは禁物です。ただ胃が悪いから、食欲がないからといって食事を抜く人がいます。胃酸過多などの場合は、長い時間胃が空になるとかえって胃が荒れる原因となってしまいます。消化のよい食材を少量食べる方がよい場合があります。消化が悪い食べ物とは、油脂分を含んだもの、食物繊維の多いものです。
胃に優しい消化がよい食べ物
胃にトラブルがある時は、たくさんの量は食べられませんから、消化が良く、なおかつ栄養価に優れた食べ物を選びたいですね。少ししか食べられなくても、身体にはエネルギーが必要ですからエネルギー源となる糖質を多く含み、なおかつ消化がよいのは、おかゆやうどんなどの食品を柔らかく煮込んだものです。ただうどんは、よく噛まずに食べやすく逆効果になりますから、すすりこまずにしっかり噛んで食べるようにいしきすることがポイントです。
またたとえば、卵料理や豆腐、ヨーグルト、淡白な白身魚なども消化がよい食品です。ただし、生卵は消化が悪いので、加熱して食べてください。野菜なら、カボチャやカブなどを柔らかく煮て食べやすくしましょう。
胃に負担が高い消化が悪い食べ物
脂質は消化に8時間かかるので、動物性の肉や魚、また植物油などのとり過ぎは控えましょう。どうしても食べる時は、脂肪の少ないささみ、ヒレ肉などの部位を選んで少量にしましょう。また唐辛子やわさびなどのスパイス、カフェインを多く含むコーヒー、紅茶、煎茶など、塩分や甘みの強い食べ物、アルコールは、胃を刺激し、胃酸の分泌を高めるので控えめに。イカ、タコ、貝類、食物繊維の多いゴボウやキノコ類、タケノコ、こんにゃくなども、消化が悪いので、胃に負担となります。
胃に負担が高い調理法…揚げ物は消化に悪いので注意
同じ食材でも、火を通して柔らかくすれば消化がよくなります。また、油であげるよりは、蒸す、煮る、ゆでるといった調理法の方が胃に負担をかけません。冷たいものは胃にとって刺激になりますから、温かい食べ物や飲み物を選ぶようにしましょう。胃への負担の高さは食べ方でも変わる
よく噛まずに飲み込むような早食いや、おそばのようにすすって食べることも、胃に負担がかかります。また食べ物と一緒に空気も飲み込んでしまうので、胃が張りゲップの原因になったり、おなかが苦しくなったりします。よく噛むことは、消化を助けるだけではなく、肥満の防止や脳を活性化するなど、体全体の健康にメリットがあります。アルコールは胃酸の分泌を促して、胃の粘膜を傷つけてしまいますから、胃が弱っている時は控えましょう。普段から適量を心がけてうまくおつきあいを。アルコールとうまくつきあう方法は、過去の記事の「肝臓をいたわるアルコールとのつきあい方」や「飲み過ぎによる肝障害にみかん?」、「胃腸の健康を守る食事・レシピ」を併せてご覧下さい。
胃痛や胸焼けが長期間続く場合は、潰瘍など他の病気も考えられますから、医師に相談してみてください。