中古住宅・中古一戸建て/中古住宅の購入術

中古住宅購入者はこんな不安を感じている(2ページ目)

人気が高まっている中古住宅。価格の安さは魅力ですが、性能面の不安はないのでしょうか。どのように不安を解消しているのか、購入者の声をまとめた調査を見ていきましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

構造について不安を感じている人が多い

「既存住宅購入に求める改善点は?」という問いに対して多かった答えは、下記の通りです。

第1位 構造上の性能の保証・アフターサービス等   58.3%
第2位 修繕・補修等の履歴情報の完備        50.1%
第3位 リフォーム融資の制度拡充          32.0%

さらに、既存住宅の購入者に限定した質問で耐震性に対してこのように回答しています。

5.2%  かなり不安はあった
27.9%  多少不安があった

3割以上の人が耐震性に不安を持っていることがわかります。では、耐震性の不安を抱えつつも既存住宅を購入した人たちは、どのようにこの不安を解決したのでしょうか。

■耐震性への信頼度が増したできごとや信頼度を確保するために行った対処
39.0% 信頼のおける施工会社によって建てられた住宅であることがわかった
37.0% 住宅の築年数が浅いことで割り切った
30.4% 予算との兼ね合いで割り切り、何もしなかった

「予算との兼ね合いで割り切り、何もしなかった」という人が3割に上ります。意外に多い気がするのですが、みなさんは、どのように感じますか?

耐震性の不安を解決するには?

既存住宅購入者の中で「耐震性にかなり不安があった」人は下記のような解決策をとっています。
18.4% 売り主から建物検査や地盤調査の結果が示されたので信頼度が増した
13.2% 自身で建物検査や地盤調査を行ったので、信頼度が増した
7.9%  自身で耐震改修を行ったので、信頼度は増した

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住宅の性能の中でも耐震性や耐久性は最も気になる項目ですね
このように調査を見てくると、新築偏重の傾向は変化してきているものの、耐震性に代表される既存住宅の品質には不安を感じている人が多いことがわかります。

品質に対する不安を解消するには、今のところ、建物検査や既存住宅性能評価書など客観的に判断できる材料のある物件を選ぶか、自分で建物検査や耐震改修を行うしかありません。

建物検査の実施は売り主にも言えることです。早く適正価格で自宅を売却したいなら、建物検査をしたり、修繕・補修の履歴を残すなど、第三者が納得する材料を用意すること。そして、こうした考えが浸透すれば、品質のよい既存住宅が市場に多く流通し、選択肢が増えると思うのです。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

◆ 築年数で判断する場合は、1981年が目安です。81年に耐震基準が大きく変わっているので、81年以降の耐震基準によって建築された建物であれば、一定以上の耐震性を備えていると判断することはできると思います。

◆ 建物検査は、地域や住宅の規模、構造、検査項目によって違いますが、延床面積30方40坪程度の木造2階建てで、7万~10万円が目安です。
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