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江戸の光が現代に蘇る 行灯照明の魅力(2ページ目)

今回は日本の伝統的なあかりとして親しまれている行灯(あんどん)についてご紹介します。シンプルなデザインのものはどんな空間にも溶け込みます。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

欧米でも人気のあるモダンな行灯



イサムノグチAKARIシリーズ
今日では電球や電球型蛍光灯を内蔵した行灯型器具があります。一見江戸時代に普及したデザインの面影はありますが、モダンで機能的にも現代生活を満たすものが多いです。素材に吟味した高級品や油の光と同じような揺らめきを持ったランプを使用して雰囲気を高めているもの、イサムノグチのAKARIシリーズにあるような彫刻的な器具までいろいろです。

木や竹の枠でデザインされたものは純和風のインテリアに使われますが、イサムノグチのAKARIのように竹庇護で和紙の形態を支持した枠の無い器具は洋室にも調和し、欧米でも高い人気があるようです。
 
昔の置き型行灯は、明るさが必要なとき器具の一部が開放するようになっていました。例えば手紙を読んだり細かな視作業のあるときには窓を開けるような感じで使われていたことが浮世絵などにも出ています。開放しても所詮は油の光。照度は弱く、ある測定によると5ルクス前後ということです。

視力がよかった江戸人


タタミコーナーの照明
今日の器具は電気なので昔に比べればはるかに明るいです。それでも例えば写真のイサムノグチの器具(白熱電球60W)でも器具より50cm離れた床面で約80ルクスですので本を読むような明るさは期待できません。しかし、その分明るさにはない雰囲気があります。畳コーナの一角に置くだけで、それも調光で明るさの加減を調節することでとても心地よい雰囲気が体験できます。

江戸人は現代人よりかなり視力が良かったようです。彼らにとっては今私たちが思っているほど江戸のあかりは暗くなく、雰囲気も良かったに違いありません。
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