豊かな光の表現
写真3.日の出前の「しらしら明け」 |
例えば夕方の光に黄昏、夕映え、入り日方、夕ざりなどなど。また日本語には光の種類を表す言葉が幾つもあります。太陽などが安定した強さをもって輝く様を「煌煌」と言ってますがその反対に強くない光が繰り返し光る様を「ちかちか」とか小さな光の繰り返しを「ちらちら」と言ったりします。
さらに「煌煌」とは違った明るさを表した「あかあか」や、その反対のぼんやりとした微かな光に「ほのぼの」と言う言葉もあります。この他に「きらきら」、「ぎらぎら」、「燦々」、「あからか」、「しらしら」など光輝く様子を表す言葉はたくさんあり、英語などではおそらく十分に説明できないと思います。(写真3)
写真4.金屏風に反射した蝋燭の光が部屋を照らしています。 |
電灯照明の時代になるとそれまでの横からくる光とは異にする上からの明るい光が追求され現在に至っています。明かり障子や行灯の柔らかな光は確かに日本人の感性にあった光かも知れません。しかし上記のことを考えると、それが和の光と結論付けるのはいかなるものかと思います。
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