照明・LED/照明器具・間接照明の基礎知識

伝統建築と北欧モダンの出会い

今回はお寺の照明計画の事例をご紹介します。建築設計は「家を建てる」ガイドの佐川旭さんです。伝統的なお寺の建築に北欧のやさしい光が溶け込んでいます。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

お寺の照明計画


写真1.
今回はお寺の照明計画のご報告をしたいと思います。建築設計者は、オールアバウトの「家を建てる」のガイドでおなじみの佐川旭さんです。

場所は横浜駅から徒歩15分ぐらいのところにあり、本殿と客殿、庫裏(くり)の総建替えという大規模なものでした。当社でもお寺の照明計画は初めてでしたが、お寺としての荘厳さを出すことと建築設計による巧みな素材の使い方などを最大限に生かすことを心がけて照明計画を行いました。(写真1)

今回新しい試みとしては、客殿のエントランスホールにルイスポールセン社による北欧モダンの器具を使用したことです。(写真2)


写真2.ENIGMA 63,000円(ヤマギワHPより)
ルイスポールセン社はPHランプ(写真3)でもおなじみのデンマークの照明メーカーで、間接光による眩しさのない照明で有名です。その性能は技術的にも造形的にも優れ、日本ではヤマギワで購入することが出来ます。今回客殿のエントランスに使用したのは、ENIGMAというペンダントで、日本人の内山章一さんによるデザインです。

客殿はお寺の本殿で行われる催事だけでなく、様々な用途にも使用され、ゆったりとしたエントランスホールからは、本殿を正面に見ることが出来、来客者にとっては非常に印象深い空間になることが予想されました。


写真3.PHランプ 70,350円(ヤマギワHPより)
当初はお寺というイメージから和風の器具も検討しましたが、客殿の勾配天井には杉板が張られ、さらにその中には立ち上がり部分から勾配に沿って、杉の角材が等間隔で並び、通常の和風の器具では建築の重厚感に負けてしまうのではないかと思われました。

次の頁では、ペンダントのデザインと照明効果についてご紹介しています。
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