照明・LED/照明・LED関連情報

和室に和ろうそく

和ろうそくは炎の揺れ方や形状が独特です。最近では点灯すると絵が浮かび上がる絵ろうそくも人気があり、ちょっとしたプレゼントやお土産にも最適です。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

和ろうそくと洋ろうそくの違い


写真1.お香や和ろうそくで、和のリラックスタイムを。私たちは蛍光灯の光に満ち溢れた空間に長くいるせいか、その反動でろうそくの光りがとても恋しくなることがあります。特に若い女性の中でキャンドルを多用する人が増えています。このような光りは食事の場やバスルームなどリラックスしたい部屋に欠かせないようです。

インテリアに使用されえるろうそくは洋ろうそくが主体になります。一方、和ろうそくは仏事に使われている先入観から、その明かりをあまり家庭で楽しむ習慣がないようです。

西洋では、ろうそくは紀元前からありましたが、その頃の日本にはまだなく、日本の歴史に初めて登場したのは仏教が中国から伝来してからのことです。それは六世紀半の頃で、仏教と一緒に輸入されたようです。


写真2.昔のろうそくは芯きりばさみで芯を切りながら使用します。
和ろうそくは木ろうそくと言われ、室町時代に製造されています。初期の和ろうそくは宗教的儀式や宮廷などの特権階級の人たちに使われていましたが、時代が進むに連れ、武家や豪商の酒宴の場などに欠かせない存在となっています。このようなろうそくはとても高価だったため農村や漁村に住む一般の生活者にまであまり普及しませんでした。

和ろうそくは洋ろうそくと比べると形状や光の出方に微妙な違いがあります。昔の洋ろうそくは鯨の油など動物油を主体にしたもので、燃焼効率もよくないことから煤(すす)と臭いも多く出ていたようです。それに対して和ろうそくはハゼの実などをすり潰して出た植物油を使用し、その製法にも独自性があります。

和ろうそくの心は巻いた紙の上に灯心を巻くため、空気が通り抜けやすい構造をもっています。したがって、心に空気が浸透して燃焼が良く煤が生じにくいことと炎の揺れ方が洋ろうそくと違って風による横方向への揺れとは別に、縦方向にスーと伸びたり縮んだりする優れものです。和ろうそくは重さで点灯時間が決まりますが、例えば1匁(3,75g)で約30分もちます。和ろうそくで大きいものでは百匁もあり、昔は不夜城と言われた吉原などで使っていたそうです。

次の頁では、手作りの味が出ている和ろうそくについてご紹介しています。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます