先日私の知り合いが家を買うので相談に乗ってくれと言われて物件を見に行きました。ずいぶん割り安な物件だなあと思ったら、その中古の家は競売で落とされた不動産の再販(さいはん)でした。
※再販・・・業者が販売目的で買い取った不動産を、商品としてエンドユーザーに売ること
競売物件は自分で入札しなくても買える
地方裁判所では毎週1回競売物件の期間入札が行われている。 |
■自分で競売に参加する(自分で入札する)方法
■競売で落とした物件を業者が再販しているものを買う方法
自分で競売に参加して落札するには、かなりの経験とお金が必要です。物件の瑕疵(隠れた欠点)や占有者の排除なども自分で処理しなければなりません。読者のみなさんに気安くすすめられる買い方ではありません。
一方で、後者の競売物件を業者から購入するということは、誰にでもできることです。この種の再販物件は普通の物件と同じように売り出されています。特に「これは競売により取得した家の再販です」と宣言して売っているわけではありません。
普通の物件の中にまぎれていますので、いざ契約しようとしたら競売された物件であったことを知って躊躇(ちゅうちょ)してしまうのは、冒頭の私の知人のようによくある話です。
競売物件を買うときにどんなことに気をつけたらいいのか?
自分で入札して競売物件を買うときには、書ききれないくらいの注意点がありますし、かなり専門的ですので、ここでは省かせてもらいます。
しかし、競売物件の再販物件はけっこう安全です。競売物件だからと言って特に警戒することはありません。落札した業者は、物件の瑕疵を調べ上げ、解決できることは解決して引き渡すことが普通です。
たとえば・・・
■不法占有者の排除
■雨漏りやシロアリの被害
■隣地との境界や配管の問題
また、解決できなかった瑕疵については、重要事項説明書において告知する義務があります。発見できなかった瑕疵についても、売主がプロの不動産業者である以上、瑕疵担保責任をかならず負います。
【関連記事】「中古住宅の瑕疵担保責任」(住宅購入のノウハウ)
ですから、競売物件であっても、不動産業者が落札したものを買う(再販物件を買う)ことは、一般的に安全だと言えます。
競売物件の悲しい歴史の清算するには
不動産競売は裁判所が行う「過去を清算する不動産の売却と言える |
競売される理由としては・・・
■住宅ローンが払えずに自己破産してしまった
■知り合いや会社の保証人になり、その肩代わりに家を取られてしまった
■詐欺やトラブルで、家の抵当権が実行されてしまった
競売は過去の清算であり、それを住まいとして買った人が変な目で見られることはありません。あるとしたら、それは変な目で見る人の方が常識がないんです。
そうはいっても、「悲しい歴史」は気になりますから、おはらいや建物のリニューアルなどをきちんとしてから住みましょう。
また、元の所有者が近隣の人に不義理をしたまま引っ越してしまったことも多いので、自分は「善意の第3者」としてこの家を買った者であることを理解してもらうために、近隣の良い人間関係を一から作る努力は必要です。
【関連記事】「競売不動産ってホントに安い?」(住宅購入のノウハウ)
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