不動産売却・査定/買い換えの基本とテクニック

成功する家の買い替え基礎講座<18> 自宅売却の損は1千万円以上!(2ページ目)

不動産流通経営協会では不動産流通業に関する消費者動向調査を発表しました。その中で、家を買い替えた人の売却損益の発生状況が報告されています。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

家を買い替えたときの自宅の売却損はどのくらいでているのか?調査結果の説明を続けます。

築15年超から売却益が増えている


写真のタイトル
1990年代に建てられた住宅を処分するときに大きな損が出る傾向がはっきりと読める。[不動産流通に関する消費者動向調査結果より(社団法人 不動産流通経営協会)]
もう一つの集計は、売った家の築年数を5年ごとのグループにして、売却損の発生状況を比較しています。

特に、バブル期に購入(あるいは新築)したと思われる築5年超から築15年以内のグループにおいては売却損が大きいことが明白です。

築20年以内ではいずれも売却損の発生率が90%を超えています。築20年超の売却損発生比率は69.9%です。20年を超える超長期保有では、買い替えても損が発生しないケースがでてきます。さて、今後はどうなるのでしょうか?

売却損は税金で取り戻せる


今回の調査結果から分かることは、以下のようなポイントです。

■家の買い替えで、売却損がでるのは当たり前のこと
■一戸建てよりマンションの方が損がでやすい
■20年以上の超長期保有では、損がでにくい

もうけようと思って家を買っているわけではないので、売らなければ家の売却損など気にすることはありません。しかし、家の買い替えをするときには、自宅の売却損と向き合わなければなりません。

今の税制では、家の売却損の一部が所得税の軽減によって救済されます。(一定の要件に適合することが必要ですが)税金のことを考えて買い替えをする人は少ないですが、所得税の軽減は4年間(売却した年を含めて)の家計のキャッシュフローを改善してくれます。

この特例を活用すれば、売却損のショックを乗り越えて、家を買い替える勇気を持って、希望の新居を手に入れながら、同時に、家計のキャッシュフローの改善を勝ち取ることも可能です。

【関連記事】「家の譲渡損失を税金で取り戻す」

★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆

成功する家の買い換え基礎講座 バックナンバー

<17>買い替えた新築はいつ完成する?
<16>良い営業マンを3分間で判別する
<15>ボーナスは貯めるか?返すか?
<14>残っているローンを消す方法
<13>買い換えのタイミング 3つの型
<12>マンションへの買い換えの盲点
<11>ローン解除条件付売買契約の関連
<10>都市銀行の買い換えローン
<9>茶の間のでできる買い換え資金計画
<8>下取り、買取りってどうなの?
<7>買い換え特約付き売買契約
<6>買い換えにともなう税金
<5>必ず売れる「値付け」の考え方
<4>「買い換えローン」は賢く使う!
<3>「売り」と「買い」どっちが先?
<2>仲介業者をどう選ぶ?
<1>家を売る前に知っておきたいこと
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます