戸建て市場の大半は中小工務店が支えている
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ハウスメーカーで建てる家は、なんといっても工場生産による安定した品質と洗練されたデザインが魅力(写真協力:積水ハウス) |
首都圏の住宅施工棟数のシェア率をみると、ハウスメーカーなどが含まれる、年間施工棟数1,000棟以上の会社のシェアは34%ですが、その一方で、年間施工棟数100棟未満の会社は4割と半分近い比率を占めています。
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「首都圏における年間施工棟数のシェア率」(日本住宅供給センター調べ)。関西圏では、年間施工棟数100棟以上の比率は35%程度に下がり、ますます中小企業の比率が高くなっています |
また、住宅産業研究所の調査でも、ハウスメーカー:ビルダー:工務店のシェア比率=26:20:54と、かなり近い数字が出ています。
年間1ケタ台しか建てない住宅会社が9割
さらに、下のグラフの「年間施工棟数からみた会社の数」を見ると、もっとその構図が分かりやすくなります。ハウスメーカーのように年間100~1,000棟を大々的に手がける住宅企業は、市場でみると2%しかなく、年間9棟までしか建てない住宅会社が8割にのぼります。ほとんど年間1桁しか家を建てない中小・零細工務店が日本の家をつくっている現実がみえてきます。
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「首都圏における年間施工棟数の会社数」(出典同上)。このうち年間施工棟数1~4棟の会社は4割を占めています |
次のページでは、これらを踏まえて、住宅選びがなぜ簡単ではないのかについて、お話ししたいと思います。