見落とされがちだった「部屋と部屋をつなぐ動線」
リビングの窓辺にこんなクリスマスの絵本を飾れば、会話のきっかけになる? |
なぜなら小さい子供は一カ所にじっとしていないものですし、実際にはテレビのあるリビングやマンガのある子供部屋にいる時間よりも、廊下や階段を通ったりしている時間のほうが子供の意識を惹きやすいのかもしれません。
下の間取り図は、三井ホーム「パパ@ホーム」の1階部分です。この住宅は商品名にもあるように「子育てに参加するパパ」が主役ではありますが、それを可能にしているのは、実はママという名脇役の存在です。なぜなら、日常の家事の空間であるキッチンを1階フロアの真ん中に置くことで、ママの目が子供にもパパにも行き届き、会話を生みやすくしているからです。
子育て住宅として話題になった三井ホーム「papa@home」1階間取り図 |
例えば、1階フロアの中心にオープンなアイランドキッチンを配置することで、ママはシンクで洗い物を片づけながら移動することなく、子供が遊んでいるリビングを見守ったり、外から帰ってきた子供やパパに「おかえりなさい」と一声かけることができます。中高生になると恥ずかしくなって無言で帰宅してすぐ2階に上がってしまう子供も少なくありませんが、キッチンからは階段の登り口も見通せるので「お帰りなさい!おやつあるわよ」と声をかけることで、返事がなくても見守られているという雰囲気が子供を安心させます。
次ページでは、この間取りの子供だけでない「パパ」も引き込む工夫についてご紹介します。