大和ハウス工業で有名なのはプレハブ住宅の「元祖」であることです。「ミゼットハウス」の誕生から昨年で55周年を迎えました。つまり大和ハウスは、戦後の住宅づくりを先導してきた代表的なハウスメーカーであるということ。近年は、住宅づくりだけでなく、商業施設の建設やエネルギー関連、高齢者福祉関連事業など総合住宅産業として多角的に事業を展開しています。

【大和ハウスの基本データ】

  • 注文住宅事業 
   鉄骨プレハブ住宅と木造軸組住宅があり「xevo(ジーヴォ)」ブランドで統一    このほかリフォーム事業、流通店舗事業、観光事業などを展開
  • 売上高 16098億円
  • 総販売戸数 39318戸(うち戸建て9917戸、集合住宅26538戸ほか)※いずれも2009年度
大和ハウスの面白いところは、戸建てや賃貸住宅、マンションなどの住宅事業だけでなく、様々な事業を行っているところです。例えば流通店舗事業ではロードサイドにあるユニクロなどの店舗やコンビニなどの建物、ショッピングセンターなども施工。また、全国各地でホテルやゴルフ場、商業施設、スポーツ施設なども経営しています。

ロボットスーツ「HAL」で介護・福祉事業も展開

近年、特に力を入れているのが環境関連ビジネス。関連会社でリチウムイオン電池を製造したり、風力発電システム(商品名=「風流鯨(かぜながすくじら)」)の製造販売、LED照明関連のビジネス、そうしたエネルギー機器の制御や管理を行う事業なども行っています。

ロボットスーツ「HAL」の下半身タイプ(上半身タイプもある)。障害のある人や高齢者でも装着すれば楽に階段の上り下りができるようになる(クリックすると拡大します)

ロボットスーツ「HAL」の下半身タイプ(上半身タイプもある)。障害のある人や高齢者でも装着すれば楽に階段の上り下りができるようになる(クリックすると拡大します)

特に興味深いのがロボットスーツ「HAL(ハル)」の事業。大和ハウスは筑波大学の教授が設立した会社「サイバーダイン」に出資し、販売の総代理店となっています。「HAL」は介護・福祉用に開発された自立支援ロボット。僅かな力で大きなモノを動かせるため、将来的には工事現場の作業用など幅広い分野での活用も期待されています。

ここで取材秘話を紹介すると、この「HAL」は平和的な活用だけでなく、軍事的な利用も考えられます。そのため、軍事とは全く関係がなく、住関連で様々な事業を展開している大和ハウスが手を挙げて出資したのだそうです。私はこの話、大和ハウスの企業体質を紹介する上で良いエピソードだと思うのです。

少子高齢化の問題もあり、住宅業界各社では現在、事業の多角化を図りつつありますが、大和ハウスはそのはしり。多角的な経営により、現在では積水ハウスを抜いて住宅業界のトップ企業に成長しました。次のページでは、住まいづくりの分野でどのような取り組みを行っているのか見ていきます。