収入不安や共働き増加で二世帯住宅が復活?

こ・こ外観
二世帯住宅の新スタイル?3世代程よい距離で暮らす別棟建て「こ・こ」(旭化成ホームズ)
二世帯住宅は、子世帯にとっては住宅購入資金や子育ての援助、親世帯にとっても老後の頼りとして、双方の問題を解決する住宅として根強いニーズがあります。ハウスメーカーを中心に商品ラインナップも充実してきていますが、実際に住んでみると、世帯間のプライバシー確保、距離感のとり方などの微妙な問題もあり、思ったほど普及が進まなかった現実もありました。

しかしここに来て、人口の多い団塊ジュニア・ジュニアネクスト世代が、結婚や子育てで住宅購入を検討する時期を迎え、再び注目されつつあるようです。2007年11月末、ハイアス・アンド・カンパニーが調査した「二世帯住宅アンケート調査」(全国825人)によると、20~30代の若年層では半数以上の51.1%が前向き派という結果が発表されました。

調査によると、「二世帯同居の目的」は経済メリット(48.1%)がダントツ1位。続いて「2位 親世帯の介護」、「3位 家事育児の支援」、「4位 親世代の希望」、「5位 大家族での団らん・レクリエーション」、「6位 家文化の継承」。ちなみに経済メリットにつながる「建築費の負担」については、「親・子世代で出し合う」52.5%と圧倒的に多く、「親世代が支払う」22.8%、「子世代が支払う」20.2%と、親子折半派が多いようです。

なんといっても魅力は「土地代いらず」

このように二世帯住宅が注目されてきた理由は、経済メリット、つまり土地や住宅価格の高さから来ています。若年層のほとんどは土地なし客。マイホームを建てようと思ったら、土地から探して買わなければいけません。土地代プラス建築費がかかるとなると、建物にお金がかけられずに結局は満足な住まいにならないという声も聞かれます。

その解決策の一つが、すでに土地のある親世帯の家を建て替え、親と子が資金を出し合って満足のいく二世帯住宅を建てるという方法。また二世代で資金を出し合えば、より広い土地から買って新たに建てるということも可能になります。土地購入費が軽減されれば、建物にお金をかけやすくなるというメリットから、特に地価の高い都市部の住宅問題を解決する手段として注目されてきました。

子世帯の出勤
共働きの子世帯が出勤するときは、遠くの保育園でなく、まずは隣の親世帯に子供を預けられれば安心。
とくに昨今の年金・収入不安と格差拡大の中で、親の時代のように右肩上がりの収入が期待できない団塊ジュニア・ジュニアネクスト世代にとっては、大きな拠り所。収入減や教育費の上昇で今後は妻も出産後も働かなければいけない時代にあるなかで、親の物理的・経済的な子育て支援が不可欠になっているのです。

そうした背景を反映してか、これまでは息子夫婦と同居するケースが多かったのですが、最近では若い世代ほど娘夫婦と同居するケースが増えてきているという調査結果も。これは、娘が子供の面倒を親世帯にお願いする場合、実親のほうが頼みやすいという事情も関係していると思われます。

では次ページでは、二世帯住宅が増えている別の要因と、築年数を経過した二世帯住宅特有の問題点を考えてみます。