築300~500年の世界の古民家を研究した答え
同社が研究した一つ、兵庫県の千年家(以下、写真提供いずれもミサワインターナショナル) |
ヨーロッパの古い家というと、レンガや石造りのイメージがありますが、本当に古くから残っている家の多くは木構造でもあり、しかも建っている土地からほど遠くない地元材を活用。また、法隆寺のように古い木造建築ほど強度があるのは、乾燥が月日を経て進んでいるから。裏を返せば、木造の耐久性は乾燥度合い如何によるということが言えます。同社では木造の耐久性を左右する乾燥度合いについて、含水率を15%以下の集成材とすることで品質と性能を安定させ、日本の森を再生するため国産スギを使用しています。
柱や梁などの構造材を「現し」にした大断面構造 |
超長期住宅先導的モデル事業にも採択
伝統的な「間面のつくり」は将来も再生しやすい(写真は北九州の再生した古民家) |
これら、「地産地消(日本の場合は国産材や地元材を使う)」、「大断面集成材」「乾燥」「構造材を現しにして使う」「間面のつくり」の5つが、同社が世界の古民家から導き出したテーマであり、これを反映させたのが同社の「HABITA」ブランドです。
平屋「SORA・MADO」。モデルは「HABITAさんぶの杜」(千葉)にある |
家族の歴史や地域の歴史が残っているから、壊すに忍びない。「新しい技術や性能だけじゃない、古民家を再生させる技術こそが究極のエコであり、200年住宅である」というユニークな考え方にも、長期優良住宅の一面が見えてきそうですね。
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