防災や防犯などに役立つ窓シャッター
部屋のどこからでもリモコンで操作できるシャッター。操作音も静か。リフォームでの取付けも可能。[リモコンシャッター] YKK AP
最近では、従来からある横引きの雨戸だけでなく、シャッターを取り付ける住宅も増えてきており、建材メーカーからもさまざまな工夫を施した商品が揃っています。操作性も高まり、手動タイプだけでなく電動タイプ、後付けで設置できるリフォーム向け商品なども充実しているので、間取りや条件に合わせて選ぶことができるでしょう。
窓シャッターとは、羽根を上下させ開閉するもの
窓シャッターとは、一般的にアルミやスチール(鋼板)の羽根(スラット、スラッター、ルーバー)を上下させ開閉するもの。この羽根と羽根を支えるガイドレール、羽根を収納するシャッターケース(ボックス)などから構成されています。商品としては、シャッター単体のものだけでなく、シャッター付(一体型)窓サッシとなっているタイプもあります。窓シャッターを設置するメリット
窓シャッターを設置することのメリットは、まず、外部からの視線を遮ってくれるのでプライバシーが守られること。また、台風や大雨の際も強風や飛来物による窓まわりの被害を低減できることが挙げられるでしょう。商品によっては羽根の調整や通気孔により光や風を採り入れられること、窓と二重になることで断熱性や結露防止、夏場の太陽熱の遮蔽に役立つことなど、快適性を高めと同時に、省エネルギ―にもつながるメリットも。その他、絶対に安心、というわけではありませんが、窓サッシのガラスを破る前にシャッターをこじ開ける手間が加わるため、防犯面でも、ある程度の効果は期待できるでしょう。
日々のシャッター・スリットの開け閉めをリモコン1つで簡単操作。スリットの開け閉めで採光・採風をコントロールできる。 [シャッター付引違い窓 スリットタイプ] YKK AP
窓シャッターの種類と特徴
一般的な住宅用のシャッターには、さまざまなタイプがあり、羽根の形状や操作方法などによって分類することができます。■羽根の形状 クローズタイプ・スリットタイプ・ブラインドタイプ
羽根の形状(機能)によって、全て閉めたときに窓をぴったりと覆うタイプ(クローズタイプ)、羽根の間に小さな穴(通気孔)を設け通風や採光もできるタイプ(スリットタイプ)、羽根の開閉によって通風・採光の調整も可能なタイプ(ブラインドタイプ)の3つに分けることができます。
スリットタイプは、シャッターを閉めたままでも通風や採光ができるのが特徴。上部や下部など一部分だけをスリット状にできるタイプなどもあり、換気とプライバシーの確保を両立することができます。ブラインドタイプは、羽根の角度を調整することで風や光を取り込めるので、季節や時間に合わせて使用することが可能でしょう。
■操作方法 手動タイプ・電動タイプ
操作方法では、従来よりある手動タイプと電動タイプがあります。電動タイプは、室内の壁にスイッチを設置するものだけでなく、配線工事が不要のリモコンで操作可能なものもみられます。
使い勝手も高まった電動タイプ
スラットを閉めたままで、通風・採光が可能。タイマーや集中制御などの機能を持つ電動窓シャッター。 [アリーズ] LIXIL
商品によっては、複数のシャッターを一度に開けることができるもの、設定した時刻に合わせて自動的に開閉するタイマーをつけることができる商品もあるので、間取りやライフスタイルに合わせて検討してもいいでしょう。最近では、専用アプリをダウンロードすることで、スマートフォンで操作可能なタイプもみられます。
防犯性や安全性、非常時などにも配慮
商品の防犯性は高まってきており、シャッターが全閉すると自動的に錠がかかる自動ロック機能や補助ロックが付いているもの、外部からの不正な開放を検知して、ロック状態にする機能を搭載した商品もみられます。また、安全面では、羽根が降りてきているときに障害物にあたると停止する安全機能(障害物検知装置)が搭載されているタイプも。その他、災害や停電などの非常時には引手やハンドルによって開けることができる機能がついた商品も揃っています。
大開口や小窓に対応可能など、バリエーションも豊富に
小さい窓でも対応できるシャッター。部屋の使用方法や周辺環境に合わせて取り入れても。 [プロジェクト窓用シャッター]
YKK AP
デザイン的には、シャッターケース部分もスリムになり外観に馴染むようなタイプが揃い、カラ―は、シルバーやホワイト、ブラックやブロンズなど、窓サッシや外観イメージに合わせて選ぶことができるでしょう。
簡単な工事で設置できるリフォーム向けも
最近充実してきたのが、比較的簡単な施工でシャッターを設置することができるリフォーム向けの商品。手動シャッターから電動シャッターへの交換が可能なもの、既存のサッシに取り付け可能なタイプも。外壁に設置スペースがあれば、雨戸のないサッシに取り付けることができるものです。既存の窓に外壁の上から簡単取付けできる。スラットを閉めたままでも、換気や採光が可能な電動アルミ窓シャッター。[リフォームシャッター エアリス シャイングレー] LIXIL
開け方や閉め方、操作音などをショールームで確認を
窓シャッターを選ぶ際には、他の設備機器と同様、できる限りショールームで操作のしやすさ、施錠方法、操作音などを確認することが大切です。幼いお子さんがいる場合は、安全性などへの配慮は特にチェックしておきたいポイント。また、防犯性を重視したい場合は、「防犯性能の高い建物部品」であるCPマークのついた商品を選ぶようにしましょう。その他、故障の場合や電動タイプであれば停電時などの対処法、メンテナンス方法や修理の際の費用なども確認しておくことも大切です。
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