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玄関ポーチのプランニングと欲しい建材&設備

家族やお客様を迎える玄関ポーチ。そのプランニンングは、日々の使い勝手はもちろん、住まいのイメージにも影響するスペースです。ここでは、検討する前に知っておきたい玄関ポーチの考え方、設置しておきたい設備や建材をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

玄関ポーチとは玄関の庇のあるスペースのこと

シンプルでモダンな外観デザインに合わせて、すっきりとした印象の庇を設けた玄関ポーチ。[ルシアス ひさし H2 軒天パネル:リブパネル H2 化粧パネル:モダンエッジ W7 出隅納まり 袖スクリーン付き ルシアスポストユニットBP01型〔左勝手〕]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

シンプルでモダンな外観デザインに合わせて、すっきりとした印象の庇を設けた玄関ポーチ。[ルシアス ひさし H2 軒天パネル:リブパネル H2 化粧パネル:モダンエッジ W7 出隅納まり 袖スクリーン付き ルシアスポストユニットBP01型〔左勝手〕]  YKK AP 

玄関ポーチとは、一般的に玄関扉前の庇(ひさし)のある空間のこと。敷地からある程度の段差がある(アプローチ部分から数段程度高い)スペースを指します。家族だけでなくお客様を迎える大切な場所であり、つくり方によって、日々の使い勝手はもちろん、その家に暮らす人や住まい全体のイメージにも影響するものです。

もちろん、アプローチからのつながりや玄関扉の開閉方法などによって、使い勝手の善し悪しは変わってくるもの。検討する際は、門扉やアプローチからの動線や玄関扉の開閉スペース、カーポートなどとの関係を考慮することが大切でしょう。

プランニングのポイント

■誰もが使いやすく、ゆとりあるスペースを確保
大きめの庇を設けることで、落ち着いた印象を感じるとともに雨の日でも濡れることもない。 [玄関扉/TOSTEM エルムーブ(施工例)undefined採風×エルムーブ]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

大きめの庇を設けることで、落ち着いた印象を感じるとともに雨の日でも濡れることもない。 [玄関引戸 TOSTEM エルムーブ(施工例) 採風×エルムーブ]  LIXIL 

玄関ポーチは、できる限りゆとりのあるスペースとしたいもの。玄関扉を開けた状態で、ゆったりと立つことができる程度の広さを確保することが基本です。一般的に1畳程度のスペースが多くみられますが、できれば、もう少しゆとりがあるといいでしょう。

玄関扉として多く用いられているのは外開きのドアですが、玄関ポーチに十分なスペースが取れない場合は、引き戸タイプを検討しても。扉を横にスライドさせるため、前後に扉を開閉させるスペースが必要ないのが特徴です。最近では、玄関引き戸のデザインバリエーションも豊富になり、コーディネートもしやすくなってきています。特に、都市部などの狭小敷地やカーポートと玄関ポーチを兼ねるなど、スペースを確保できないケースには適しているでしょう。

■雨や雪が吹きこまないようなプランに
雨天時に、傘をさすことができるスペースを確保。さまざまな納まりにも対応できる、排水構造と雨樋も備えた機能的なひさし。[ルシアス ひさし H2 軒天パネル:板張り調 H2 化粧パネル:モダンエッジ W7 雨樋内構造 袖スクリーン]undefinedYKK AP http://www.ykkap.co.jp/

雨天時に、傘をさすことができるスペースを確保。さまざまな納まりにも対応できる、排水構造と雨樋も備えた機能的なひさし。[ルシアス ひさし H2 軒天パネル:板張り調 H2 化粧パネル:モダンエッジ W7 雨樋内構造 袖スクリーン] YKK AP 

使い勝手のいい玄関ポーチとするためには、スペースの確保はもちろん、雨や風、雪が吹き込まないようにすることも大切です。敷地条件や外観デザイン上、玄関ポーチ部分に屋根や庇がないケースもみられますが、雨天の場合、外出時に傘をさすことなどを考えると、何かしらの雨よけは設けておきたいものです。

庇は、日よけや雨対策のために、窓や玄関、バルコニーなどの上部に取り付けられる片流れの形状を持つ覆いのこと。造作で設けたり、メーカー商品を設置するケースもあるでしょう。建材商品としては、シンプルなデザインが多く、リフォーム時に設置しやすい、後付けタイプの商品もみられます。屋根や庇をプランニングする際は、雨や雪の落ちる方向を考慮し、あまり高すぎない位置に設けるようにしましょう。

■限られたスペースの場合はプライバシーを保つ工夫も
プライバシーを守りつつ、玄関前の内と外をつなぐ空間を有効活用できる。 [ダブルエントランス(独立・壁付)undefined独立タイプundefinedスクリーン単独仕様1連]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

プライバシーを守りつつ、玄関前の内と外をつなぐ空間を有効活用できる。 [ダブルエントランス(独立・壁付) 独立タイプ スクリーン単独仕様1連]  LIXIL 

玄関ポーチは、パブリックな空間とプライベートな空間をつなぐスペース。門扉から玄関扉までのアプローチが長く取れるのであれば、植栽を配するなどしてプライバシーを守ることもできるでしょう。しかし、都市部など、限られた空間では、道路からすぐに玄関ポーチとなるケースも。充分なスペースを確保できない場合でも、ある程度のプライバシーを守ることができるような工夫を施したいものです。

たとえば、フェンスやパーテンションなどを設置することで、視線を緩やかに遮るのもひとつの方法。風や光が通り抜けるようなスリット状の建材であれば、圧迫感を感じることも少ないでしょう。また、玄関ポーチに合わせて、スクリーンや屋根、ポストなどを組み合わせることができるエクステリア商品などを取り入れてもいいでしょう。

建材&設備選びのポイント

■床材には滑りにくく汚れにくい素材を
既存のタイル上に専用接着剤を用いて、新しいタイルを張り付けるリフォーム向けの商品。[玄関床タイルリフォーム工法]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

既存のタイル上に専用接着剤を用いて、新しいタイルを張り付けるリフォーム向けの商品。[玄関床タイルリフォーム工法]  LIXIL 

玄関ポーチの床材は、耐久性やデザイン性はもちろんですが、埃や靴に付いた泥、雨などの汚れが目立ちにくく、汚れても落としやすいこと、濡れた靴でも滑りにくい素材であること基本です。特に、幼いお子さんや高齢の方がいらっしゃるご家庭では、十分に配慮することが大切でしょう。

一般的には、玄関三和土(たたき)と同様に、タイルを用いるケースが多くみられます。床用のタイルは、陶器のような素材感のあるものや石のようなタイプなど多種多様。ベージュ系やブラウン系、グレー系などすっきりとしたタイプであれば、どんなデザインの外観にも馴染みやすいでしょう。選ぶ際には、玄関扉や外装材などを考慮すること。必ず、ショールームや見本を取り寄せるなど、実際の商品を確認することがポイントです。

■防犯や安全性だけでなく演出効果にも配慮した照明
ポールや庇に組み込まれた照明で、玄関ポーチの使い勝手と雰囲気をアップ。[シンプルモダンアクセントポール2型・3型・1型+シンプルモダンポスト1型、シンプルモダン持ち出しひさし(LED照明付き)]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

ポールや庇に組み込まれた照明で、玄関ポーチの使い勝手と雰囲気をアップ。[シンプルモダンアクセントポール2型・3型・1型+シンプルモダンポスト1型、シンプルモダン持ち出しひさし(LED照明付き)]  YKK AP 

玄関ポーチの照明プランは、安全面や防犯面はもちろん、演出効果などにも配慮を。明るさを確保するためには、天井や壁に照明器具を設けることになりますが、光の方向を確認することが大切です。玄関扉を開けた際に、影にならないような位置に設置すること。また、ステップに足元灯など用いれば、安全なだけでなく、印象的なエクステリア空間になるでしょう。

防犯のためには、人が潜めるような暗がりを作らないこともポイント。センサーの付いた照明器具など、設置場所に応じて取り入れても。防水機能を持ち、腐食しにくい器具を選ぶことが重要ですし、LEDなど省エネルギーに配慮した機器を取り入れることも必要です。

■手すりや散水栓、コンセントなどがあると便利
高齢の方がいらっしゃるご家族の場合、手すりを設けることも検討したいもの。屋外でも用いることのできる、握りやすく、滑りにくい形状のものを選ぶようにしましょう。ステップには摺りにくい素材を用い、階段ではなくスロープとするプランもいいでしょう。

また、玄関ポーチ近辺には、屋外用コンセントや散水栓を設けておくと便利な場合もあるものです。ガーデニングやクリスマスのイルミネーションなどの電源として利用できますし、カーポートが隣接するのであれば、車の掃除に使用することも。最近は、すっきりとしたデザイン性の高い屋外用コンセントもみられます。その他、散水栓は、植栽への水遣りや庭掃除、洗車、ペットの散歩帰りなどに。玄関まわりに必ず必要というわけではありませんが、カーポートや庭の位置によって取り付けておくと重宝するでしょう。

玄関は住まいの顔、とも言われます。玄関ポーチを検討する際には、敷地や周辺環境を充分考慮して、使いやすく、美しく保つことができるような空間とすること。屋外から室内から、誰が日々、どのような動きをするのか、生活動線を考えながら検討することがポイントです。


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