せめて家の中では安心して過ごしたい。もはや防犯性は大切な住まいの性能のひとつです。 |
防犯優良マンション認定制度を知って活用しよう
「防犯優良マンション制度」という制度をご存知ですか?防犯優良マンション制度は、建物の設備面を強化し侵入防止を図るための診断制度です。例えば、■建物と、足がかりになる電柱などとの距離が一定以上ある
■共用玄関にオートロックの導入
■各住戸の玄関は2ロックを基準
など、防犯対策が一定基準以上を満たしたものを認定し登録する制度です。現在、独自の基準を作り同種の認定制度を先行でスタートさせている自治体は10都道府県にとどまります。それではその中の一つ、東京都の例を見てみましょう。
東京都は2004年からスタート!
防犯優良マンションに認定されるとこのようなプレートが交付されます。 |
対象は東京都の区域内のマンションで3階建て以上、公営、民営、既存、新築、屋外、屋内、屋上、地下などの設置場所を問いません。審査は東京都セキュリティ促進協会の一級建築士・防犯設備士などが、構造、設備、管理体制などの面から行います。
基準に合格し防犯優良マンション・駐車場に認定されると登録され、推奨書やプレートが交付されます。
例えばマンションの場合では外部からの見通しや侵入のしにくさ、防犯カメラやオートロックシステムの採用、管理人室のセキュリティチェックなど70のチェック項目があります。詳しいチェック項目についてはこちらをご覧ください。登録されたマンションや駐車場は、東京都セキュリティ促進協力会のホームページに掲載されます。
【東京防犯優良マンション等審査基準(改訂版)(抜粋)】防犯に関するチェック項目は70に及ぶ。共用部、専用部と項目が分かれている。これらのチェックをクリアする物件はかなり防犯性が高いといえる。 |
日本防犯設備協会とベターリビング、警視庁、国土交通省が協力し、この防犯優良マンション認定制度を来春から実施させるスケジュールにのっとり、今現在全国統一基準を策定しています。
先にも述べましたが同種の認定制度をスタートさせている自治体は10都道府県にとどまります。それ以外の自治体が取り入れやすいような基準を定め、防犯性の高いマンションの普及・拡大をめざしています。この認定制度の審査基準となるチェック項目こそ「防犯性能」という品質を示す特性であり、これを明確にして全国統一で認定することにより、マンションの新しい付加価値を生み出したといえるでしょう。
防犯力のあるマンション選びを!
防犯性の高い建築部品につけられるCPマーク。CPマーク付の製品を開口部にどのくらい使われているかで防犯性を評価します。 |
「防犯優良マンション認定制度」と並びもう一つの目安となるものが住宅性能表示制度に来年4月から新しく加わる防犯性能の項目です。この制度を利用した新築マンションでは侵入盗に狙われやすい開口部、例えば玄関ドア、窓、バルコニーなどの部分に防犯性能の高い建築部品がどのくらい使われているかが明らかになります。防犯性能の高い建築部品とは、侵入盗がそこを破壊するのに5分以上かかることが証明された部品のことです。侵入盗の約7割が侵入までに5分以上かかった場合にあきらめるというデータをもとにこのような基準が採用されています。
いろいろな犯罪が多発する今、せめて家の中では安心して暮らしたいですね。そんな願いを叶え、防犯性の高いマンションを手に入れるためにこの「防犯優良マンション認定制度」と「住宅性能表示制度の防犯性能」の二つの制度をうまく活用し、防犯力の高いマンション選びをぜひ成功させましょう。
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