住宅性能表示制度とマンションの関係

何を元に信用したらよいのか考えてみましょう。

何を元に信用したらよいのか考えてみましょう。

2005年に起きた構造計算書偽装事件を機に、「国で定めた構造計算プログラムを使い、建築士が計算した構造計算書であれば間違いはないだろう」という前提が大きく崩れました。

その後、民間の確認審査機関だけでなく、自治体でも、そして性能評価を取得した物件からも構造計算書偽装の見逃しがあったことが判明しています。このような状況のなか、今回は少しでも安全なマンションを見極めるコツのひとつとして、住宅性能表示制度を取り上げたいと思います。

 

「住宅性能表示制度」ってなに?

住宅性能表示制度とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき平成12年10月にスタートした比較的新しい制度です。目に見えないけれども重要な住まいの性能面について、全国統一基準に基づき公平に成績表をつけようという制度です。

設計者でも施工者でもない、中立の立場の「登録住宅性能評価機関」(全国で7618社)が、設計段階(設計性能評価)と建設段階(建設性能評価)の2段階で審査を行います。制度発足から平成25年3月までの評価実績(戸建て、マンション、分譲、賃貸全て含む)は、設計段階では約207万8千戸、完成段階では約156万9千戸にのぼります。

住宅性能表示制度は建築基準法と同じ、国の法律による制度です。建築基準法と大きく違う点は、任意の制度であるところです。利用してもしなくても家を建てることが出来ます。同制度を利用するために必要な費用は、新築マンションの場合、70平米程度、50戸、5階建ての規模のマンションで設計性能評価と建設性能評価をあわせて1戸当たり約4万円、総額200万円程度かかります。

万が一の時にメリットがある住宅性能表示制度

設計住宅性能評価のマーク
設計住宅性能評価の評価書につけられるマーク。設計図面上で性能の評価を受けています。
マンションを買うタイミングはたいてい着工前、もしくは工事中になります。完成したものを見ずに購入を決めなければならない点で、何かと不安がありました。設計性能評価を受けた住宅を購入する際、契約書に評価書が添付されると、その評価書に記載された性能が引渡しの条件として約束されます。

建設性能評価は施工中や完成時の検査を受けて評価されます。建設性能評価が付いた家を購入したときのメリットは、万が一住宅にまつわる「紛争」が起きたときに、1万円で専門的な紛争処理を受けることができることです(但し新築の場合のみ)。

建設住宅性能評価書のマーク
建設住宅性能評価の評価書につけられるマーク。実際に建った建物が設計図通りにできているかチェックします。
物件よっては、設計性能評価のみを受けるケースもあります。上記の紛争処理は、設計性能評価と建設性能評価の両方を受けた場合のみ利用できるため、契約をする前に建設性能評価も受けるかどうか確認しておくと良いでしょう。建設性能評価を受けた建物には右図のマークが付いた評価書が交付されます。

このように、住宅性能表示制度を利用した住宅を購入することは、大きな安心も一緒に買うことができるのです。

それでは次のページで、確認申請だけの場合と性能評価を受けた場合の違い、賃貸物件でも評価住宅はあるの?について見てみましょう。