検証3:階段の出入口

今回のマンションでは見通しの悪い内階段が3箇所以上ついており、各々の階段同士はエレベーターの止まる3階ごとに、共用廊下によってつながっていました。先にも述べましたがこのような形式の場合は、犯罪者の逃走経路が多くなるので狙われやすい条件になります。逃走経路が多いということは侵入経路も多いということで、各階段の地上出口がきちんとロックされているかどうかがポイントになります。防犯の考え方としてまず入り口で侵入者をストップすることが重要です。このような共用階段は災害時の避難階段という役割を持つため、直接地上に通じるものが多いのですが、乗り越えられない高さの扉をつけ、内側からは開くが外からは開かないタイプのものをつけるべきです。

防犯性を考慮したマンションでは共用玄関のオートロックとともに避難階段についてもこのような配慮がされているはずです。ぜひ、ご自身のマンションはどうなっているか確認してください。


検証4:オートロックの重要性

検証3でも触れましたが、マンションの共用玄関にオートロックは防犯的に必要です。とくにエレベーターは共用玄関近くに設けられることが多いため、玄関がフリーだと、誰でもエレベーターに入り込むことができ、マンション内部に簡単に侵入することが出来てしまいます。オートロックとともに、よく見える(犯罪者が認識できる場所)に防犯カメラを設置し、犯罪者を寄せ付けない工夫が必要なのです。


検証5:防犯カメラの意義

防犯カメラの例
防犯カメラの例。【写真提供】セコムテクノサービス
今回の舞台となったマンションでは、エントランスや階段、自転車置き場などあちこちに防犯カメラを設置しており、その結果犯人の早期検挙に役立ちました。このことからわかるように、防犯カメラは犯罪を抑制するチカラよりも、犯人を割り出すチカラがあるものだと理解していたほうが良いでしょう。防犯カメラで撮影されることで犯罪者の心理に圧力を与え、遠ざける効果が期待できますが、顔を見られることを恐れない狂信的な犯罪者には、効果が薄いと考えられます。

安心して暮らすためには犯人が早く捕まることが大切です。それに大きく貢献する防犯カメラですが、過信せず、常に他の方法と併用して防犯性を高めていく努力が必要です。

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効果のある防犯対策とは?

近隣の目
近所やマンション内で見かけない人がうろうろしていたら、声をかけてみましょう。犯罪者は顔を見られることを恐れます。
今回は、犯罪のおきやすいマンションの構造を主に住戸アクセス方式から検証しました。オートロック、防犯カメラなどシステム的な防犯対策を取り入れ犯罪がおきにくい工夫をすることはもちろん大切ですが、さらに必要なのが近隣のコミュニティーの力だといわれています。

マンションは多くの世帯の集合体であり、特に大規模マンションになると居住者の数が多いことから同じマンションの住民の顔も知らないことが多々あります。お互いに顔を知っていれば不審者がいたら「おかしい」と気がつくはずです。近所付き合いがわずらわしいという考えもあると思いますが、悲しい事件を引き起こさない環境作りには、防犯システムを過信せず、ご近所同士でタッグを組んで防犯活動を行うことが大切だといえるのです。

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